高校生12人が20年後の館山考える(千葉県)
「館山の課題について、高校生のみんなで考えたい」――。同世代の市民に地元の将来について、当事者意識をもって考えてもらいたいと、安房拓心高校文理系列3年生の出口皐月さん(房南中出身)が、館山市の20年後を考える対話集会をJR館山駅東口前の「sPARK tateyama」で開いた。出口さんの呼び掛けに集まった生徒12人が参加し、館山の将来について考えた。 出口さんは、3年生になってから「総合的な探求」の授業で地元・館山市の財政や人口減の状況について調べた。このまま人口減少が進むと、約20年後には生産年齢人口を老年人口が上回ることに危機感を覚え、高校生としてこのような課題を皆で共有し、将来をよくしたいという思いで今回の対話集会を思い立った。 若者の考えや取り組みを大人の市民にも知ってもらいたいと、市役所関係者、市議などにも声を掛け、参加を促した。 集会では、▽今後の館山市を担う高校生が議論することの意義▽これからの館山市に必要なものと不要なもの▽将来住みたいと思える館山市にするには――といったテーマで、グループでの議論を展開。 「住みたいと思える館山にするには」の議論では、「コンパクトシティーを目指す」「都会の人にも魅力的な、自然を生かした幼稚園やこども園を造る」などといった具体的な案も発表された。 出口さんは「まずは館山の課題を同年代のみんなに知ってもらい、話し合うという目的が達成できたので良かった。これからも考える場をつくり、高校生が活動することで大人と一緒になって、もっといい館山をつくっていきたい」と話していた。今後は大学に進学し、地方自治などを学びながら公務員を目指し、将来は館山市で働きたいと考えている。 (安井咲子)