「トランプ関税」が米国経済に与える影響【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
対中関税はデカップリング政策の一環で40%に引き上げの可能性、ただ一律輸入関税は回避か
CBOが指摘している通り、米国は過去50年以上にわたって、トランプ氏が公約に掲げるような大幅な関税の引き上げを実施していないため、その影響に関する実証的証拠はほとんど存在しておらず、前述の推定値は不確実性が高いといえます。ただ、CBOの分析にあたっての基本的な考え方や、関税引き上げ後の予算や実質GDP、物価の方向性は、今後の相場をみる上で参考になると思われます。 弊社は、トランプ氏の関税引き上げ政策について、中国に対しては、米国のサプライチェーン(供給網)から中国を切り離すデカップリング(分断)政策の一環と考えており、40%程度まで関税が引き上げられる公算は大きいとみています。ただ、他の国に対しては、通商や投資の面でより良い条件を引き出すための交渉術にとどまり、一律10~20%の輸入関税導入は回避されると考えています。 (2025年1月10日) ※当レポートの閲覧にあたっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『「トランプ関税」が米国経済に与える影響【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】』)。 市川 雅浩 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 チーフマーケットストラテジスト
市川 雅浩,三井住友DSアセットマネジメント株式会社
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