夏が旬のなす。「生でも食べられる?」管理栄養士が教える、生で食べても美味しいなすを見分ける方法
なす料理と聞いて多くの人がイメージするのは、焼きなすやなすの煮浸し、麻婆茄子、なすの田楽など加熱調理したものではないでしょうか?しかし、なすは選び方や処理の仕方で生でも楽しめるのです。そこで今回はなすを生で美味しく食べるための方法をお伝えします。 ◆写真|管理栄養士が教える、生で食べても美味しいなすを見分ける方法 ■実は生で食べられるなす 加熱して食べるイメージの強いなすですが、実は生でも食べることができます。しかし、すべてのなすが、生で食べるというのがおすすめというわけではありません。なすの種類によっては、えぐみや苦味が強いものもあります。これらのなすを生で食べてしまうと、美味しいと感じられない可能性が高いです。そのため、生でなすを食べるためには、生でも美味しく食べられるなすを選んであげることをおすすめします。 ■生で食べる時にはアク抜きが必須 なすを調理する時には、アク抜きを行う人が多いのではないでしょうか?アク抜きは、なすのカット断面の変色やソラニンという成分により苦味やえぐみを感じてしまうことを抑えるために必要です。とても簡単なので、ぜひ行いましょう。まずは、カットしたなすを2~3分水にさらした後に、塩水(カップ2の水に小さじ1/2の塩)に2~3分さらします。そして、最後に、なすに直接塩をふりかけて2~3分おいたら、キッチンペーパーで水気をしっかりと拭き取ったら完了です。 ■生で食べるのにおすすめのなすを見分ける2つのポイント ■■1.新鮮なものを選ぶ 新鮮ななすを選ぶ時に見たいポイントは3つあります。特に、生で食べるためには食中毒を防ぐためにも傷んだものを選ばないように気をつけましょう。まずは、皮に光沢があり、みずみずしく、表面に傷や色ムラがなくハリがあるものがおすすめです。そして、へたの切り口がヘタレていないこともポイントです。加えて、ヘタにトゲがある場合、しっかりととがっていることが新鮮さの証になります。 ■■2.アクの少ないものを選ぶ なすと一言で言っても実はいろいろな品種があります。その中でも、アクが少ないと言われているのが、水なすと呼ばれるものです。その名の通り、水分量が多いため、皮や実がとてもやわらかくて、苦味やえぐみがほとんどないです。そのため、アク抜きをしなくても、甘みを感じられるほど美味しく食べられます。特に、大阪府の泉州市で栽培されている「泉州水なす」が有名ですが、全国各地で栽培されているため、最寄りのスーパーでも夏に手に入りやすいです。 ■なすを生で食べる時の管理栄養士おすすめの食べ方2選 ■■なすの即席浅漬け ヘタを取り除き、縦半分にカットして半月切りにしたなすを塩揉みして、約3分ほどおき、しんなりしたら、水気を絞ります。お好みで細切り昆布や鷹の爪、酢などと混ぜ合わせたら、即席の浅漬けのできあがりです。 ■■山形のだし なすやきゅうり、みょうが、大葉、ピーマンなどのお好みの夏野菜を粗みじん切りにします。全体に塩をふりかけて塩揉みして、約5分ほどおき、しんなりしたら、水気を絞ります。保存容器に入れて、醤油をひたひたになるくらいまで注いだらできあがりです。すぐに食べてもよいですが、2時間ほど冷蔵庫で馴染ませてから食べるのをおすすめします。 ■暑い時期にもなすを楽しもう 暑い時期は加熱調理はできるだけ避けたくなるもの。そんな時には、生でなすを楽しんでみてはいかがでしょうか? 【参考文献】 独立行政法人農畜産業振興機構|なす 独立行政法人農畜産業振興機構|なすの需要動向 農研機構|「ナス」のお話 産直プライム|ナスを生で食べると?アク抜きの必要性とおすすめの食べ方を紹介 小池商店|水なすの美味しい食べ方 農林水産省|だし 山形県 厚生労働省|食品中の天然毒素「ソラニン」や「チャコニン」に関する情報 ライター/亀崎智子 管理栄養士×セラピスト(野菜ソムリエ・中級食品診断士 )。食に関する講演や記事執筆・監修、体の本来の機能を取り戻すお手伝いをする整体のセラピストとして、家族丸ごと体の内と外にゆとりをつくるサポートを行っている。 協力/NS Labo
NS Labo(栄養サポート研究所)