不人気な中古外車BMW!!【磨きとペイントでどこまで仕上がる?】Vol.08
外装パーツが取り外されているからこそ、メンテナンスや仕上げの手を入れておきたい部分って、ありますよね!? 薄汚かったBMW K75Sをリフレッシュしている今回は、ブレーキパッドの影響でレコード盤のようになりかけていた、前後ブレーキローターを研磨依頼。また、フロントフォークはオイルシール交換を行うので、その作業と同時にボトムケースのリペイントを実践することにした。さらにブレーキキャリパーもオーバーホールの段取りを進めることにした。 【画像】BMW K75Sのリフレッシュ作業をギャラリーで見る(10枚) 文/Webikeプラス たぐちかつみ
ディスクローターのパッド面はフラットに限る!!
ブレーキ系メンテナンスを実践するにあたり、極めて効果的なのがディスクローターの平面研磨だ。ピン部分で作動するフローティングディスクだと研磨は難しいが(鋳鉄ローターの旧ブレンボのような作りなら分解して依頼可能)、インナーローターとアウターディスクローターがリベット固定のリジッド仕様なら、平面研磨(ここでは旋盤利用のローター研磨)を施すことによって、ブレーキパッド摺動面が平面になり、ブレーキパッドの当たりがより一層効果的になる。一見では、摩耗段差が多く感じたBMW Kナナゴーのローターだったが、実際には片面で0.2~0.3ミリの研磨しろだった。裏表両面を研磨しても、ローターの厚さは0.5mmも減らなかった。研磨後のローターには新品パッドを組み合わせるが、単純な新品パッドへの交換とは大きく異なり、極初期のパッド馴染みが取れれば、驚くほど利くブレーキになる。このローター研磨はiB井上ボーリングさんへ依頼した。 撮影協力/iB井上ボーリング
分解ついでの「せっかくメンテ」
ここ数年、旧車のレストアばかり楽しんできたので、インナーチューブは再硬質クロームメッキ処理に依頼するパターンが多かった(いつも福岡の東洋硬化さんへお願いしてます)。このKナナゴーのフロントフォークは程度が良く、摺動部分に点サビが無かったので、分解洗浄とオイルシール交換を行い、そのタイミングでボトムケースをガンコートペイントのサテンブラックで仕上げることにした。真っ黒け外装で、華など一切無かったBMW K75Sを仕上げている今回は、美しさと輝きを求めるうえで、キーポイントになるのが「各パーツのペイント仕上げ」にあることは、作業開始当初から理解していた。外装パーツは、1972年に登場したBMWスポーツの象徴でもある「M」シリーズを意識した、パールホワイトベース+Mラインに決定。そうなると足周りパーツを、どのようなカラーコーディネートするか……センスが問われる部分でもある。ホイールやブレーキを魅せるために選んだペイントが、ガンコートのサテンブラックだった。通常のウレタンブラックでも良いのだが、ペイント道具と高温乾燥機器があれば、高い密着力のガンコートは、実に扱いやすく、仕上がりも歩留まりも良いペイントなのだ。ペイント後の組み立て時に使うオイルシールは、プロトが取り扱うARI製(アリート製)を使うことにした。 取材協力/プロト