半導体装置各社、4~6月期大幅増収目立つ AI投資活況
半導体製造装置メーカー主要各社の4~6月業績は、増収増益を計上した企業が多い。半導体市場は生成AI(人工知能)関連の需要が増加しており、装置メーカーに好影響を与えるケースが目立った。 【関連写真】半導体装置大手の4~6月業績一覧 日本半導体製造装置協会(SEAJ)の速報値によると、日本製半導体製造装置(輸出を含む)の販売額は、1月から6カ月連続で前年同月を上回っている。半導体市場の新たなけん引役となっているAI用のGPU(画像処理半導体)、HBM(広域帯メモリー)などの需要が急増しており、関連する設備投資の波が装置メーカーにも押し寄せている形だ。 2025年3月期第1四半期(4~6月)決算では、東京エレクトロン、アドバンテスト、SCREENホールディングス(HD)などが増収増益で、通期の業績予想を上方修正している。 東京エレクトロンの売上高は前年同期比41.7%増の5550億7100万円。河合利樹社長は「AI関連が非常に伸びている。スマートフォンもAI搭載への投資が進んでいる。AIサーバー向けのロジックは引き続き堅調」と話す。 アドバンテストの売上高は同37.0%増の1387億2500万円。生成AIに向けたSoC(システム・オン・チップ)の複雑化に伴い、テスト需要が想定以上に増加。今後1年以上にわたりテスター市場の成長を見込む。 SCREENHDの売上高は同34.6%増の1342億1700万円。廣江敏朗社長は「24年(暦年)の半導体市況はAI関連が成長をけん引する」と予想する。 ディスコやKOKUSAI ELECTRICも4~6月決算は増収増益となった。 キヤノン(12月期決算)は、半導体やFPD(フラットパネルディスプレー)の露光装置などをインダストリアル事業として展開。同事業の4~6月売上高は前年同期と比べて26.2%増加。半導体露光装置は生成AI向けを中心に好調に推移している。 レーザーテック(6月期決算)の4~6月売上高は、前年同期に比べて23.3%減少したが、受注高は1239億1700万円と2.1倍に拡大し、過去最高を更新している。 半導体やFPDの露光装置などを精機事業として展開しているニコンは、同事業の4~6月売上収益は11.1%減。半導体露光装置は7~9月期以降に据え付け完了となるため、4~6月の売り上げに計上されなかった。
電波新聞社 報道本部