「彩りの青み野菜はもう買わない」飛田和緒がやっている「水に差すだけ」窓辺栽培
野菜の根っこやヘタを使って
出張の多い夫と遠方で大学生活を送る娘の3人家族で、現在は「ほぼ一人暮らし」という飛田さん。生活のリズムも整い、ますます仕事に時間をかけています。 一方料理の撮影が増えると、使う食材もたくさんになり、切り落とした野菜の根やヘタなどがどんどんと出てきます。 飛田さんは無駄にしないようにと、干したり冷凍しながらためて、煮出してスープをとっていると言います。 それでも使い切れない時は、水を張った皿やコップに入れるのだとか。キッチンの窓辺に並んだ根っこやへたからは、豆苗などがモリモリと育ち、まるでキッチンガーデンです。 【写真】「豆苗の再生栽培はほぼ100%」と飛田さん。窓辺に置くだけでこの通り。 飛田さんの窓辺栽培を前に、フードスタイリスKさんも筆者自身もあれこれ育てていると栽培自慢になりました。 その後も栽培報告は互いに止まず、グループLINEで写真を送り成長を見届けて合って……。そんな盛り上がりから今回のテーマを決定。 食材を無駄なく使って、楽しく、おいしく食べきる台所の知恵を習う「始末の料理」連載の12回目は、根っこやヘタを育てる再生栽培です。 手軽に始められ、続けるのも簡単、料理に役立ち、節約にもなる。スタッフ全員がはまってしまった理由を説明いたします。
パッケージにも「再生できる」と記載
再生栽培(リボーンベジタブル、略してリボベジ)は、調理の際に余った野菜やくだものの種やヘタを、水に浸したり土に埋めたりして再生させる栽培のことです。飛田さんは水に浸して窓辺に置く手軽な方法で楽しんでいます。 「パッケージにも再生栽培ができると書いてある豆苗をはじめ、根っこがついているパクチー、せり、細ねぎは育てやすいですよ。根もの以外にはキャベツやターサイの芯も試してみました」(飛田さん、以下同) 再生栽培なので、元のような大きさにはなりませんが、少量でいいのです。 「一人分のみそ汁や、麺ものの薬味には少量あれば事足ります。彩りのためにわざわざ買う必要がなくなりました。 ちょんちょんとハサミで切って散らす。お皿の上がちょっと寂しいときも、緑をプラスすれば彩りよくなって助けてくれます」 お楽しみは他にもあります。 「伸びてくる緑が爽やかで、眺めているだけでも心が満たされます。葉が伸びたり、花を咲かせたり、成長具合を見届けられると胸が熱くなる。 大袈裟かもしれないけど、それくらいの感動が毎回あるんですよー。 だって、朝起きると、お水ちょうだいって窓辺の野菜たちの声が聞こえてくる。外出先から戻ると、ちょっと大きくなったよーってイキイキした緑が目に飛び込んでくる。 きっとこれが畑仕事になったならやることが多すぎて、ヘトヘトになってしまうだろうな。私には窓辺栽培くらいがちょうどよいのです」