【巨人】田中将大「自分で証明するしか」復活への覚悟 坂本勇人には前夜連絡「いろいろ教えて」
日米通算200勝の先に向かう。楽天を自由契約となり、巨人と契約した田中将大投手(36)が25日、都内ホテルで会見した。背番号は11に決まり、推定年俸1億6000万円プラス出来高払いの1年契約。幼なじみの坂本勇人内野手(36)と同じユニホームに袖を通す新天地で、残り3勝に迫る大台は、あくまで通過点とする。今季はキャリア初となる0勝。来季19年目でネガティブな声があるのも知っている。結果で見返し、復活ロードを歩んでいく。 【写真】「昆陽里タイガース」時代の田中将大(左)と坂本勇人 ◇ ◇ ◇ 現在地を自嘲しつつ、復活への覚悟がにじんだ。来季は37歳で19年目。田中将が鋭いまなざしで言った。「うだうだ、いろいろ言われてるのは知っている。自分で証明するしかない。結果で恩返しできるように。2024年、野球で何もできなかったシーズンは本当に初めてで悔しかった。2025年はやっぱり、やり返したい」。昨季に右肘クリーニング手術をした影響もあってか、今季は未勝利。勝負どころに立つ中で、再起を力強く誓った。 日米通算200勝の節目に残り3勝と迫る。「ここ数年、ずっと聞かれて、ずっと答えて、ずっと達成できてない。そんな自分に対してもフラストレーションがたまる」と心中を語った。大記録を通過点とすることが、何よりの復活の証明。背筋を伸ばし「一気に何個も勝てるわけじゃない。残り3勝というところをフォーカスされるが、自分としては3勝で終わる気持ちはない」と続けた。 少年野球チーム「昆陽里タイガース」でバッテリーを組んでいた坂本と再びチームメートとなる。「想像もしてなかったが、プレーできるのはやはりうれしい」と心待ちにした。前日の夜「よろしくお願いします。いろいろ教えてください」と連絡した。坂本からは「こちらこそよろしく。分からないことがあったら聞いてな」。約四半世紀の時をまたぐ共闘が実現する。 背番号は11に決まった。兵庫・伊丹市の出身だが、巨人ファン。「真っ先に斎藤雅樹さんが思い浮かんだ。これも何かの縁なのかなっていう風に勝手に思った」と平成の大エースの記憶を重ねた。憧れだった数字に愛着を抱いた。 13年に24勝0敗をマークするなど輝かしい勲章は数知れない。名門ヤンキースでも通算78勝を積み上げた。「10年以上も前の話ですけども、全て勝ってきたこともある。年齢を重ね、比べれば衰えていっている部分もあるが、その分、長くやってきた経験、いろんな引き出しがある」と積み重ねてきた全てを結果につなげる。巨人のマー君。現役レジェンドが新天地で再び輝く。【上田悠太】 ◆巨人の先発事情 エース戸郷と2年連続2桁勝利の山崎伊が中心。今季8勝を挙げブレークを果たした井上と、助っ人左腕のグリフィンも開幕ローテーション入りが濃厚となっている。残る2枠を、来季からの先発挑戦を表明している平内、伊藤や新加入の田中将、西舘、赤星、横川らが争うことになる。 ◆巨人の背番号11 エース級の投手が付けることが多い。別所毅彦は49年オフに背番号を29から11に変更。54年6月5日には通算200勝を達成し、50~60年に207勝を挙げた。渡辺秀武は70年に23勝を挙げるなど、64~72年の間に83勝をマーク。斎藤雅樹は90年から背番号11を背負うと、90年にMVPに輝き、沢村賞2度、最多勝4度、最優秀防御率2度獲得するなどタイトルを総なめ。「平成の大エース」と呼ばれる活躍を見せた。