【美浦便り】東京で平地重賞のない2週間…日曜のパラダイスSは「裸同然」のあの馬に興奮
前日18日の雨雲はどこへ? 多くの馬が追い切りを行った19日は厳しい日差しが降り注ぎました。気温は20度台後半だけど、ジリジリと肌が焼かれている感じ。早速、日焼けで鼻と腕が赤いです。 競馬番組表を眺めていていると、あらためて小さな違和感を覚えました。東京は先週、今週と2週続けて平地重賞が行われません。昨年まで3回東京で行われていたユニコーンSが3回京都に移設されたためですが、実に珍しい。手作業で調べてみると、東京で2週連続の平地重賞施行なしは00年6月18、19日週と6月24、25日週の開催以来、約24年ぶりのことのようです。 00年は新潟競馬場の走路改修工事に伴って開催がスライドされたため、ラジオたんぱ賞(現ラジオNIKKEI賞)や七夕賞が東京で行われた年。今年はダート3冠競走創設による番組整備でこのような並びとなりましたが、いずれにせよなかなかレアな週末です。 重賞ではなくても、楽しみなレースが目白押しです。個人的にわくわくしているのが、日曜東京メインのパラダイスS(リステッド、芝1400メートル、23日)。3歳馬シュトラウス(武井)は古馬と初顔合わせが控えています。昨秋、G2東スポ杯2歳Sを勝っていながら、ハンデは53キロ。重量に恵まれた印象があります。新コンビの杉原騎手は「あの馬に53キロは裸みたいなものですよ」と好勝負を意識します。 一級品の能力を持ちながら、気性面の難しさに悩まされてきた馬。この日は北村宏騎手からバトンを受け継いだ杉原騎手が、先週に続いて追い切りに騎乗しました。重馬場でも6ハロン80秒5-11秒5の一番時計を楽々マーク。「時計は出ているけど、思ったよりムキになっていない」と、人馬のコミュニケーションに一定の手応えをつかんでいます。 今回は気持ちを尊重して、NHKマイルC16着から巻き返しを狙います。春先は馬の後ろでのキャンターを取り入れたり、我慢を覚えさせたり工夫を凝らしましたが、中間はメンタル重視の単走調教が課されてきました。「モノは一流だと思います。出たところで我慢できれば理想ですね。今回で探って、次につながるレースができれば」(杉原騎手)。再び重賞路線で活躍するためにも、少しでも大人びた走りを見せてくれることを期待したいです。【松田直樹】