人気の商業施設で生き残る店とは? 「和の店」取材で取材班が実感した数々のこと
実績や人気がないと、出店の声がかからない
池「そもそも話題の商業施設に出店できるのは限られた店で、実績や人気がないと出店の声は掛からないもんね」 井「勢いある店が集まる中で勝負するには何かしらメニューも頭を捻らなければならないし運営も難しいと思う。同じフロアで各店の混雑の差が一目瞭然というシビアな環境だからこそ、よりよい店になるんでしょうね。駅直結も多いし、渋谷、銀座、日比谷などエリアごとにお気に入りを見つけておくといいかも」 菜「そんな中で、特にどこが気に入ったの?」 井「虎ノ門ヒルズ『楽喜』(店名の"き"は本来、七が3つ)は三軒茶屋の人気店の新ブランドなんだけど、新たに始めた寿司とお茶割りが他にはない味でおいしかった!」 『楽喜(らっき)』今日の握り六貫2700円、rokuジントニック×知覧茶900円 武「お茶割りは今後、要注目ですね。実はレモンサワーブームの次はお茶割りが来るとずっと思ってたんですよ」 肥「そういえばそれ、数年前から言ってたよねー」 武「でもこれまで今ひとつブームになりきれない状態だった気がします。つまりおいしいお茶割りにはおいしいお茶が欠かせないのですが、注文ごとに淹れるのは結構大変みたいで。それにレモンサワーみたいに店の個性をいろいろ開発できる感じもなく。が、時を経て『襤褸』や『楽喜』のように個性的でおいしいお茶割りに力を注ぐ店が増えてきた。これ、いよいよブームになりそうな予感です」 池「確かに。立ち飲み『きんざざ』もお茶割りに特化してた。日本、中国、台湾のお茶割りは素晴らしかったよ。特徴がよくわかるし、香りもいいし、気楽さも◎」 『茶酒きんざざ』ドリンク各700円 武「そうそう。立ち飲みで言えば今回は若者にも支持されている個性派を集めました。それこそお茶割りや国産クラフトジンなどお酒に力を入れていたり、料理に手をかけていたり、だから笑顔で楽しむ人であふれる店ばかり!」 肥「ね、特に『酒匂』は酒も料理も店主にも惚れた。居酒屋、食堂、立ち飲み、商業施設までシーンや気分で使い分けるといいね。今度は食堂飲みしようかな~」 菜「なら『駒込食堂じみち』もいいよ。実は次の休みに行こうと思ってるんだ。ここ、サウナ&カプセルホテルに併設した食堂でね、じっくり汗を流した後に旨いおかずを肴にビール!チューハイ!日本酒!これぞ"おとなの週末"でしょう」 『駒込食堂じみち』豚の生姜焼き定食980円 肥「いいね、飲む飲む~」 井「私も狂ったように飲んでみたい(笑)。行く行く」 戎「い、井島さんまで……。皆さんもいろんな意味で自分流"おとなの週末"をお楽しみください!」 文/肥田木奈々、撮影/鵜澤昭彦(なかにし、襤褸)、西崎進也(土土土、楽喜)、小島昇(食堂なるたけ、神田新八、じみち)、小澤晶子(茶酒きんざざ) ※2024年10月号発売時点の情報です。 …つづく「鶏もつがとにかくうまい!東京の酒場2選《覆面調査隊が発見》レバーの食感、旨みを楽しみたい」では、覆面調査隊が若き店主の店を中心に、東京都内の鶏もつの老舗、名店を実食レポートしています。