「メジャーじゃない外国語」を大学で勉強したい娘…その希望、サポートすべき?
大学受験に立ち向かう高校生の時期は、もっとも多感な思春期と重なります。「うちの子は聞き分けがいいから大丈夫」と安心しきっている保護者こそ注意すべきことがあります。そのポイントとは何でしょうか。年間約3000組の親子をサポートする思春期の子育てアドバイザー、道山ケイさんに、リアルな悩みを聞いてもらいました。 【写真】大学入試の英語、30年で激変 止まらぬ難問化、東大試験は「これが限界では?と思うくらい」
【質問】
私立高校に通う高1の娘をもつ母です。一人娘なので、自宅から通える大学に進学してほしいと思っています。ところが、娘はあまりメジャーではない外国語に興味があるようで、この外国語を専門的に学べる大学が近くにはほぼありません。娘は「大学で学べなくても語学スクールやオンライン学習だってあるし、家から通える範囲で探すよ」と言いますが、本心かはわかりません。その言語への興味は強まる一方で、独学で勉強を続けているのも知っています。やはり娘の希望を最優先に考えて進学先をアドバイスしたほうがよいのか、悩んでいます。(45歳・東京都在住)
親として一番避けたいNG思考とは?
【回答】このご家庭は親子関係がいいのだと思います。子どもが親を気遣ってくれていますね。しかし、最近はその関係の良さゆえに、子どもが自分の希望をかなえられない例が増えているように思います。 「娘の希望を最優先に考えたほうがよいのか」とありますが、そもそもここは悩む余地がないところでは。高1の時点で自ら学びたいと思える分野があるのはすばらしいことです。それを親の都合であきらめさせるのは、非常にもったいない。「一人娘なので」という気持ちはとてもよくわかりますが、これは一番やってはいけない思考だと思います。 「自宅から通える大学に進学してほしい」というのは「親の安心感のため」なので、こうした理由で子どものやりたいことを制限すると、必ず後悔するときがきます。わかりやすい例が、乗り気でない子どもに親が中学受験を強制したケースや、専門科の高校に行きたがる子どもを無理に普通科に入れた場合などです。いずれも親子関係が悪くなってしまった実例を知っているので、このご家庭も少し心配になりました。 ただし、先に例外を挙げますね。もし自宅から通ってほしい理由が親の安心感ではなく、家庭の経済状況によるものだとしたら、それは子どもにきちんと伝えるべきです。「一人暮らしの費用は出してあげられない」とか「奨学金を借りてもらうことになるかも」とか、できることとできないことを明確にして話し合ってください。子どもが「それなら志望校を考え直す」と言うか、「それでも頑張る」と言うか、どちらにしてもできる限りの力で応援してあげましょう。