演劇・映像部門アン・リー氏/高松宮殿下記念世界文化賞
世界の優れた芸術家を顕彰する「高松宮殿下記念世界文化賞」(主催・公益財団法人日本美術協会=総裁・常陸宮殿下)の第35回受賞者が10日に発表され、5部門のうち演劇・映像部門は、映画監督のアン・リー氏(69)=台湾=に決まった。授賞式は11月19日に東京都内で開催される。 1954年10月23日生まれ、台湾・屏東県出身。映画監督として、時代の奔流と向き合う人間を描く芸術性と、観客を引きつける娯楽性を両立させた作品で世界的名声を得ている。 台湾芸術学校(現・台湾芸術大学)で「演劇こそ私の居場所」と確信。渡米して大学で演劇と映画製作を学び、91年に長編映画デビューした。ベルリン国際映画祭金熊賞の「いつか晴れた日に」(95年)、米アカデミー賞外国語映画賞の「グリーン・デスティニー」(2000年)や同監督賞の「ブロークバック・マウンテン」(05年)など、幅広いジャンルの作品で多数の賞に輝いた。 台湾から初の世界文化賞受賞。「小津安二郎など日本人監督からも影響を受けた」と語り、父親が台湾出身の是枝裕和監督との付き合いも長い。