白洲迅、芸能界は「1ミリも考えてなかった」 いまだに表に立つのは苦手「ずっと緊張してばかりの役者人生です」
※白洲迅プロフィル
1992年11月1日生まれ。東京都出身(青森生まれ)。2010年、高校在学中に「第22回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」のベスト30に入ったことを機に芸能界へ。2011年、『ミュージカル テニスの王子様 2ndシーズン』でデビュー。『ビブリア古書堂の事件手帖』(フジテレビ系)、『刑事7人』(第4シーズン~第9シーズン)、『ゼイチョー ~「払えない」にはワケがある~』(日本テレビ系)、『恋愛戦略会議』(フジテレビ系)、映画『10万分の1』(三木康一郎監督)、舞台『ダブリンの鐘つきカビ人間』に出演。
若手俳優の登竜門でデビュー
2011年、白洲さんは『ミュージカル テニスの王子様 2ndシーズン』でデビューすることに。氷帝学園中等部2年生で超高速サーブを武器にレギュラーの座を勝ち取った鳳長太郎役を演じた。 ――事務所に入ってわりとすぐにデビューされて。 「はい。人生初めてのお仕事のオーディションで受かって。そのときの心境としては、受かってしまったというか、正直全然やる気はなかったんです。ただ、そのときがちょうど高校を卒業して、とりあえずやりたいことがまだ見つかってなかったから、みんな流れに身を任せて大学に行くみたいな感じで。 軽い気持ちで事務所にも入っていたぐらいだったので、いきなりお仕事が決まってしまってびっくりでした。仕事とは何かということが、まだ何もわかってなかったです」 ――まだ仕事をする気になってなかったときに稽古が始まってしまったという感じだったのですか? 「そうです。正直に言っちゃうと、一番大きな感情は“つらかった”です。もともと人前に立って目立つことをするなんて自分の人生に無縁だと思っていたので。 でも、高校生の頃はダンス部に入って、一応人前でパフォーマンスをするみたいなこともあったのですが、本当に緊張したし苦手だったんですよ。だから、仕事としてそういうものを人前で披露するということが、稽古の段階からもうダメでした。 『出演者とか演出家とか、いろんな関係者が見ている前でセリフをしゃべるって何だ?』って(笑)。かと言って、自分で言うのも何ですけど、根がクソ真面目なので、1回決まってしまったことからは逃げられない。逃げるなんてことは考えもしてなかったので、やるしかないという感じでした」 ――『テニスの王子様』は同年代の俳優がいっぱいいて、なかには野心バリバリの方もいたと思いますが、いかがでした? 「僕は始まりが『テニスの王子様』で良かったと思っています。あれが始まりだったから、こうして今も続けられているのだと思います。 僕と同じように『テニスの王子様』がデビューという子もいっぱいいるわけですよ。だから、同じ度合いというか、同じ歩幅で一緒に歩めたというか、切磋琢磨できるのもそうですし、本当に部活みたいな感じでした。男だけでチームになって他の学校と戦うみたいな。 そういう延長で始まれたのが、逆に良かったのかもしれません。『テニスの王子様』だったから、仲間と一緒に歩んでいけるという感じで。 スタートが同じという仲間もいたし、すでにお仕事もちゃんとしている人もいて、その人にチームメイトとして、仲間として教えてもらったり…そういう始まりだったからこそ、辞めずにいられたのかなって思います」 ――舞台の初日はどのような感じでした? 「緊張してガタガタでした。登場の仕方が、いまだに夢に出てくるぐらいよく覚えています。幕が開いてある程度進行してから僕らのチームが登場するのですが、舞台セットの大きな階段の後ろに隠れて、その階段を動かしながら出て行くんです。 それで、ある程度したら後ろから階段の上に上がって、僕らのチームが全員登場する。舞台上ではすでに出ている他の人たちが芝居をしている最中に舞台の上に出ていく。そのときのセリフは、多分一言ぐらいなんですけど、ドキドキしてからだ中全部震えていたと思います。これが毎日続くのかって思いました(笑)」 ――慣れるまでにはどのぐらいかかったのですか? 「10年以上やっていますけど、今も慣れてはいないです。でも、そのなかでも楽しさだったりとか、そういうものをどんどん見出だせるようになってきたから続けられているという感じです」 ――最初は大学に行きながらだったのですか? 「大学に入ると同時に『テニスの王子様』の稽古が始まったので、あまり大学に行けなかったんです。大学1年生の頃は必修科目も多いし…1カ月くらいは通えたのですが、行けなくなってしまって休学することにしました。まだ大学を辞めて芸能の仕事1本でやっていくという心情にはなれてなかったので。 でも、『テニスの王子様』は、上演期間が結構長かったので、2年ぐらい休学しているなかで、大学は辞めるしかないかなと思って退学しました」