夏の軽井沢のタクシー問題は3割供給増 日本版ライドシェアなど活用
長野県の軽井沢町では、観光客増加による交通課題を解決する「軽井沢タクシー供給強化プロジェクト」が実施中。夏の繁忙期を終え、稼働車両数は3割増加するなど、供給の強化につながったとする実施状況が報告されている。 【この記事に関する別の画像を見る】 「軽井沢タクシー供給強化プロジェクト」は、軽井沢町、軽井沢タクシー協会、軽井沢ホテル旅館組合、軽井沢観光協会、GOが2月に連携協定を結び実施しているプロジェクト。取り組みに3本の柱を設定しており、タクシー車両にタクシーアプリ「GO」を導入しベース供給力の強化を図っているほか、4月からは日本版ライドシェアを活用、需要ピークの曜日・時間帯に合わせた供給の確保につなげている。また長野県タクシー協会の協力を得て、周辺地域からのタクシー応援隊派遣を実施、最繁忙期の局地的需要に合わせた供給対応を行なっている。 これらの施策により、移動需要の増大に対応した車両供給の確保が実現。最繁忙期の夏のお盆期間のピーク時間帯(16時台)は、地元のタクシー車両の稼働台数増加、ライドシェア車両、応援隊車両の稼働などで、稼働車両数が昨年比で約3割(25台)増加した。ライドシェア車両については1日最大15台稼働したという。 またアプリからのタクシー利用は、プロジェクト期間を通じて概ね80%以上のマッチング率を維持し、「ラストワンマイルの交通利便性の向上に寄与した」としている。町内関係者からも昨年よりタクシーが利用しやすくなったという声があったという。 これらの成果を踏まえて、プロジェクトは継続して推進される。一方、今期の取り組みの課題として、需要予測を精緻化した上での担い手の確保を指摘。地域の移動手段の中心である自家用車の流入による交通渋滞で営業効率の低下が発生することなども判明しており、交通モードや役割分担についても議論していく方針。
Impress Watch,太田 亮三