電子レンジは「バクテリアの温床」...どう掃除すればいいのか?【最新研究】
<電子レンジの「予想外の健康リスク」を研究者が発見。台所からの警告とは?>
あなたはどのくらいの頻度で電子レンジを掃除しているだろうか? おそらく十分ではないだろう。 【動画】プロに学ぶ電子レンジの掃除方法 電子レンジから発せられる強力なマイクロ波は電子レンジに潜むバクテリアをすべて殺菌するのに十分と考えがちだ。しかし、最新研究によるとこれは事実ではないという。 スペイン・バレンシア大学と「ダーウィン・バイオプロスペクティング・エクセレンス」社の研究者が、30台の異なる電子レンジの内部から微生物をサンプル採取。どの細菌群が厳しい環境においても成長可能であるかを調査した研究が「フロンティアーズ・イン・マイクロバイオロジー(Frontiers in Microbiology)」誌に掲載された。 「ダーウィン・バイオプロスペクティング・エクセレンス」社CEOで微生物学者であるマヌエル・ポルカー博士は本誌に次のように語った。 「私たちの仮説とは、空気中や表面に存在しているバクテリアの中には、マイクロ波が抵抗できるものがあるというものです」 研究者たちは合計747種類の異なるバクテリアを発見。中でも最も多かったのはフィルミクテス、放線菌およびプロテオバクテリアであった。 さらに家庭用電子レンジと実験室の電子レンジのバクテリアを比較した結果、実験室の電子レンジでは主に無害なバクテリアが見つかったに対し、家庭用電子レンジに見られるバクテリアは、人間の健康により大きなリスクを伴う可能性があることを発見した。 「台所の他の場所ほどではありませんが、家庭用電子レンジ内の細菌は病原性を持つ可能性があります」とポルカー博士は述べる。 アメリカの調査データによると、アメリカの家庭の90%が電子レンジを持っており、週に一度の掃除が推奨されているという。しかし、別の調査によるとアメリカ人の3分の1がこの基準を満たしていないという。ポルカー博士は次のように述べる。 「キッチンの他の表面と同様に、電子レンジも掃除すべきです。電子レンジがバクテリアをまったく殺菌していないことを私たちの研究が示しています。これはまったく予想外の結果でした」 共同研究者であるダニエル・トレント博士は次のように述べる。 「薄めた漂白剤や市販の消毒スプレーで定期的に電子レンジを消毒することをすすめます。また、使用後は湿らせた布で電子レンジの内部を拭き、残留物を取り除くことが重要です。汚れがついた場合は直ちに掃除をして、バクテリアの増殖を防ぐ必要があります」 今回の研究結果が強力なバクテリアの除去に必要な新技術の応用・開発につながることが期待されるが、ポルカー博士は次のようにも述べる。 「わざわざエキゾチックな外国に行かなくても微生物の多様性を見ることができます。むしろ私たちの近くに存在している、微生物の生息地を見つけることが重要なのです」