アルピナD3 S ツーリング ベスト・モードはコンフォートプラス 長期テスト(5) 気になる点も幾つか
大人3名と沢山の荷物でも鋭い加速
翌日は自宅で仕事。駐車場にD3 S ツーリングが停まっているのだから、ノートパソコンとタブレットを持ち込んで、車中で過ごすことにした。長時間でも疲れないのか、シートの快適性を確かめられる。 日が傾くまで集中したが、不快感はなし。腰痛も出なかった。きっと長旅でも、同様に心地良くこなせるだろう。 3日目は、日用品などのお買い物。筆者はシェアハウスで暮らしているのだが、同居人たちは高級ステーションワゴンでのお出かけに喜んでいた。くたびれたホンダ・シビックで普段は移動しているから、理解できる。 大人3名と、1週間ぶんの買い物の荷物は、すっぽり荷室に収まった。さらにいえば、もう少し余裕も残っていた。 ステアリングホイールは軽くグラスエリアは広く、運転するとひと回り小さく感じられ、狭い場所でも扱いやすいことへ気付く。シビックほどスルスル走れるわけではないが、想像以上といえる。 驚かされたのが、車内が満載状態でも、1人で運転している時と遜色ないほど加速が鋭いこと。しかも、1750rpmから湧き上がる74.2kg-mもの最大トルクで、燃費は12.5km/Lを余裕で超えていた。 ただし、1つ課題ができた。次の週末に、ガールフレンドと乗るクルマのハードルが上がったことだ。
テストデータ
■気に入っているトコロ 知っている人ならわかる:他に例がないといえる水準で、落ち着いた見た目と秀でた能力が共存している。控えめなアルピナのロゴが、特別感を静かに主張している。 ■気に入らないトコロ もう少し差別化されてもいい:アルピナ独自のディーゼルエンジンは、335dとの価格差に見合う違いを感じにくい。ステアリングホイールの感触にも、もう少しを求めたい。 ■価格 モデル名:アルピナD3 S ツーリング(英国仕様) 新車価格:6万6000ポンド(約1228万円) テスト車の価格:8万8265ポンド(約1641万円) ■テストの記録 燃費:14.2km/L 故障:なし 出費:なし
ジョナサン・ブライス(執筆) 中嶋健治(翻訳)