基準値を超える有害物質、土壌と地下水から検出 岡山・和気、JOHNANの敷地で2010~17年
岡山県備前県民局は10日、製造業のJOHNAN(京都府宇治市)が所有する和気町衣笠の敷地の土壌と地下水から県条例の基準値を超える有害物質が2010~17年に検出されていたと発表した。 県は24年12月、周辺の地下水、河川など15カ所で水質検査を実施。基準超過はなく「現時点で健康被害が出ているとは考えにくい」とみている。ただ、同社が24年12月に行った敷地の地下水調査では依然として2物質が基準を超過し、発がん性が指摘されるトリクロロエチレンは最大10倍を検出。このため県は浄化対策計画の作成など必要な指導を行う。 県によると同社は10年、トリクロロエチレンや、鉛など3物質の基準超過(トリクロロエチレンは地下水から最大1300倍)を確認。17年まで土壌の除去や地下水の処理をしたが、県環境負荷低減条例に基づく必要な届け出をしていなかった。24年10月、同社が敷地の新たな活用策を検討する際、届け出の必要性に気付き県民局に相談。同局が1月10日、届け出を受理した。 現場では以前、半導体などを製造。現在は倉庫にしている。同社は「県民局や専門家の意見を聞き最善の対策を実施したい」としている。