契約額の累計1兆円超へ…防衛省、25年度馬毛島整備予算案に473億円 基地の完成時期は計画の3年遅れ、30年3月末
防衛省は27日閣議決定された2025年度予算案に、鹿児島県西之表市馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転を伴う自衛隊基地整備の関連費として、473億円(契約ベース)を計上した。南日本新聞の集計では、調査段階だった12年度からの契約額の合計が1兆円を超えた。 【写真】2025年度予算案の馬毛島基地整備(米軍再編関係分・単位:億円)
調査費を計上した12年度から、24年度当初までに積み上げた予算(契約ベース)は8821億円。防衛省は「各年度に支払われる歳出ベースが事業費を反映している」として、その後の累積額を明らかにしていないが、24年度補正に945億円を盛り込んでおり、今回の473億円を加えると、1兆239億円になる。 25年度予算案の契約ベースの473億円は、滑走路や航空保安施設、隊舎、格納庫、係留施設の整備が中心。種子島では、管理事務所や物流倉庫、ヘリポートなどの整備を進める。工期の延長に伴う追加的な経費も一部含まれている。 防衛省は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画で、総事業費を現時点で約9300億円と試算。馬毛島については、特殊な施工条件などを理由に見込み額を示していない。調査段階の15年度から23年度までの支出済み額は約3487億円。25年度予算では歳出ベースで531億円を積む。
馬毛島の自衛隊基地本体は23年1月に着工し、当初は4年程度の工期を見込んでいた。防衛省は24年9月、基地の完成時期が計画より3年遅れの30年3月末になると発表。滑走路の建設は27年に終了する見通しで、FCLPは28年1月以降に始まる可能性がある。 滑走路の点検などに当たる約90人規模の航空自衛隊馬毛島先遣隊(仮称)は24年度に春日基地(福岡市)に配置、25年度に一部の約60人が馬毛島で勤務を始める。
南日本新聞 | 鹿児島