水戸黄門で「200回以上お風呂に入った」由美かおる、60年変わらない美貌の“ライフワーク”
恩師の死から、新しい由美かおるをスタート
朝、太陽が昇ると自然に目覚め、ベッドでブリージング。これが由美さんの1日のスタートだ。 「ゆっくり深い呼吸をしながら身体を動かすと、滞っているところが緩んで、流れがよくなるんです。循環がよくなってスッキリしたところで、ベッドから出ます」 その日のスケジュールを確認し、コーヒーをいれる。 「朝ごはんはその日によって違います。パンのときは、上にちりめんじゃことチーズをのっけて、トーストし、海苔をかける。それに季節の果物を入れたヨーグルト。ご飯のときは、昆布でとった出汁にいろいろな野菜を入れた具だくさんのみそ汁。納豆、ハムエッグ、そんな感じかな」 京都出身の由美さんは、昆布でしっかり出汁をとり、薄味で仕上げたものが好きだ。 「帯津先生が昆布出汁をお茶代わりに飲まれるの。“これ身体にいいんだよ”って。そうなんだ~と思って、私も昆布出汁をスープなどにも使っています」 前日の夜、焼き肉を食べに行って生ビールの大ジョッキを飲んだり、夜中近くに食べたりして、胃が重いなと感じる朝もある。 「ベッドの中で身体を動かしてすっきりしたら、お腹と相談。ヨーグルトだけにするとか。身体に聞きながら食べるようにしているんです」 お酒も飲み、甘いものも食べ、ダイエットやエステ、美容整形とも無縁。白髪もほとんどなく、カラーリングもしていない。自然体のままでいたいと言う。 「両親に感謝ですね。健やかに育ててくれて」 父は20年前に他界し、母はコロナ禍の中、99歳で亡くなった。 「母は実家近くのホームに入ったので兄のお嫁さんたちが毎日行ってくれていました。でもコロナ禍で行けなくなって……。やっぱり人間は愛の中で死ななきゃいけないと思う。心が痛いです」 最期を看取れなかったことが心残りだ。 由美さんの恩師・西野皓三氏は、2021年に94歳で亡くなった。由美さんは西野バレエ団を退団。先のことは考えられずにいた。そんなとき、デビュー当時のドラマーだった信見さんと再会する。信見さんは、プロデューサーとして多くの歌手を育てた後、渡米。環境調査会社を設立し、帰国した際に53年ぶりに由美さんに会う。 「彼女は昔と全然変わっていなかった。今後のあてもないというので、じゃあ一緒に仕事をしようかということになったんです」 信見さんは、足腰の弱った人たちのために、座ったままできるブリージングを教えることをアドバイスしたり、AI由美を提案したりしている。 今、アメリカのテレビ局が由美さんを取材中だそう。 「知り合いのテレビマンが、由美が70歳過ぎていて、整形もせずに若いと驚いてね。これは、世界のシニアアイドルだということで、来春には欧米各国で放映予定ですよ」(信見さん) 日本が誇るアイドル・由美さんの番組が各国で放映される。その反響が楽しみだ。 「世界の各地に行き、その国の歌を覚えてちょっとコンサートをやったり、ブリージングを教えたりしたい。これが私の夢です」 由美さんの夢は、すぐ現実のものになるかもしれない。 <取材・文/藤栩典子> ふじう・のりこ フリーライター&編集者。料理、ガーデン、インテリアなど生活まわりを取材・編集。『島るり子のおいしい器』(扶桑社)『美しきナチュラルガーデン』、『66歳、家も人生もリノベーション』(共に主婦と生活社)ほか。