富士通の“新しいスパイス”宮下希保…自分らしさ追い求めながら日本一目指す
■富士通へ移籍した理由
「キャリアはあるけれど、富士通では新人なので、みなさんよろしくお願いします」 10月4日、富士通レッドウェーブはメディア向けの公開練習を行い、練習後にはヘッドコーチと選手数名が個々に順番で囲み取材に応じた。この時、最後だった宮下希保の番になると、BTテーブスヘッドコーチ自らが宮下を伴って取材陣に歩み寄り、上記のように発して場を和ませた。 オールラウンダーで5月には3x3女子日本代表として「FIBA 3x3 オリンピック最終予選 2024」を戦った宮下は、県立足羽高校(福井県)卒業後にアイシンウィングス(当時はアイシン・エィ・ダブリュ)に入団。1年目から4シーズンを主軸として活躍すると、2021-22シーズンからはトヨタ自動車アンテロープスへ移籍し、3シーズンの在籍でWリーグ優勝も経験した。 また、3人制のみならず5人制でも日本代表として国際大会の出場経験があり、指揮官の言葉通り、キャリアの豊富な選手だ。そして今シーズンから富士通の一員となったが、すでに2007-08シーズン以来の皇后杯優勝、Wリーグ連覇に向けたチームの即戦力として期待されているのだ。 「自分がステップアップするために同じポジションの選手がいるところに行って、もっともっと学びたいという気持ちがあったので移籍しました。富士通はみんなで守って、みんなで攻めるというバスケット。それは私の好きなバスケットなので富士通に決めました」 このように移籍の理由を語った宮下は、7月には町田瑠唯、宮澤夕貴、林咲希の3人が日本代表活動で不在の中、「京王電鉄 presents サマーキャンプ2024 in 武蔵野の森」では得点面などでチームをけん引。パリ2024オリンピックを終えて町田ら3人が合流した直後の「パクシンジャカップ」(韓国開催)、そして9月末のWリーグのチャンピオンとして出場した「FIBA女子バスケットボールリーグアジア2024」(中国開催)でも、攻守とも存在感を存分に発揮した。これには司令塔の町田も「フィットしていると思います」と、コメント。だが一方で、「“合わせよう”が強くなっているのかなと思うので、希保らしさを出したい。合わせと希保が積極的に行くところをうまくバランスとってやっていきたいし、そういう声掛けをしていきたいです」とも発した。