森山良子、大江千里迎え日本語でスイング 「願い続けてよかった」アルバム&記念ライブ
シンガー・ソングライターの森山良子(76)が大江千里(64)とともにジャズアルバム「Life Is Beautiful」をソニー・ミュージックレーベルズから発売し、16日に大江とともにブルーノート東京(東京都港区)で記念ライブを行う。 森山は自身の作曲によるフォークソング「この広い野原いっぱい」で昭和42年にデビュー。これが大ヒットし、フォーク歌手、俳優として活躍を続けている。 だが、父親は著名なジャズトランペッター。本当はジャズ歌手を目指していた。「フォークの森山」と紹介されるたび、心の中で「違う、違います!」と反論していたと明かす。 平成15年に「THE JAZZ SINGER」というアルバムを発表していたが、これはよくあるスタンダードナンバー集で、何かが違った。 もっと本格的にジャズを歌いたい。くすぶり続けた火種を発火させたのが、大江だった。大江はシンガー・ソングライターとして活躍したが、20年に米ニューヨークに渡りジャズピアニストへ転身した。 「千ちゃんすごい。全てをなげうって夢をかなえた。並大抵のことじゃなかったと思う。あの勇気がうらやましかった」 その大江から3年ほど前、声をかけられた。「良子さん、僕と一緒にアルバムを作りましょう!」。背中を押された森山は、仕事の合間を縫って延べ40日間、ニューヨークで3人の講師からジャズボーカルの特訓を受けた。 「今のジャズの発声方法は昔と違うと知り、びっくりしちゃった」 アルバムは大江が8曲を書き下ろした。全て日本語歌詞。大ヒット曲「涙そうそう」もジャズアレンジで披露。「日本語詞のオリジナル曲によるジャズなんて世界初かも」と胸を張る。 「願いがかなった。願い続けてよかった。これからも何でもちゃんと歌える歌手でいたいです」(石井健)