テンセント、06年以来最多の自社株買い-米国の監視強化で株価急落
(ブルームバーグ): 中国のテンセント・ホールディングス(騰訊)は7日、ここ20年近くで最大規模の自社株買いを行った。米政府が中国人民解放軍とつながりがあるとし、同社を「中国軍事企業」リストに追加したことを受け、株価が急落していた。
ブルームバーグがまとめたデータによると、テンセントは393万株の香港上場株を買い戻した。これは2006年4月以来の多さ。同社は中国軍との関係を否定したものの、同日の株価終値は7.3%安だった。
テンセントはリストを公表した米国防総省に協力し、誤解の解消を図りたいと発表文で表明した。
株主還元を強化しているテンセントだが、1日だけで15億香港ドル(約305億円)に上る自社株買いは、リスト掲載による株価下落に歯止めをかけるための緊急措置であることを示唆している。
テンセント株急落を受け、一部の投資家は安値拾いに動いた。中国本土の投資家は7日、香港との株式市場接続「ストックコネクト」を通じ、140億香港ドル相当のテンセント株を買い入れた。
ユニオンバンケールプリヴェ(UBP)のマネジングディレクター、ベイサーン・リン氏は、「テンセントの発表文から、同社が米国の決定は誤りで、株価の反応を非合理的とみていることが分かる。これが恐らく大規模な自社株買いを正当化している」と指摘。
その上で、「それでも、地政学上のリスクが高まり、それが最優先事項として取り上げられる。尻込みする投資家も出てくる」との見方を示した。
原題:Tencent Makes Biggest Buyback Since 2006 After US Blacklist (1) (抜粋)
--取材協力:Julie Chien、April Ma.
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Charlotte Yang