アポロ、投資家ニーズの変化がウェルス事業後押し-対アジア投資拡大
(ブルームバーグ): 代替資産運用の米アポロ・グローバル・マネジメントによれば、アジアにおける「平均的な貯蓄者」のニーズが高まっていることが、グローバルウェルス事業の資金調達と成長を後押ししている。
アジア太平洋責任者マシュー・ミケリニ氏はブルームバーグテレビジョンとの12日のインタビューで、「特に退職に伴い投資家の要求やニーズが変化している。そうした投資家がオルタナティブ資産を必要としており、われわれの所にやって来る」と説明。
「保険会社や年金プラン、政府系ファンド、個人などあらゆる投資家による保証されたインカムへの需要が非常に高まっている。そのためこのビジネスはかなりうまくいっている」と明らかにした。
アポロは、香港やシンガポール、オーストラリア、韓国、日本に広がるアジア太平洋地域の保険会社や退職者向け資金を扱う機関から資本を呼び込むことに照準を定めている。同社は4月、2022年以降にこの地域から350億ドル(約5兆円)余りを調達したと発表した。
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ニューヨークに本社を置く同社は、昨年時点で運用資産6510億ドルを保有。香港のFWDグループ・ホールディングスなどと年金・保険パートナーシップを結んでいる。
ミケリニ氏によると、アジア太平洋地域への投資額は2年間で約8%増加し、2023年末に約108億ドルに達した。
投資家が関心を高めている一因は、プライベートクレジットのリスクに対する認識が変化していることと、プライベートクレジットは公開市場の変動に左右されにくいという事実にあると同氏は指摘。
「プライベートエクイティー(PE、未公開株)やベンチャーキャピタル、ヘッジファンドなどオルタナティブはリスクが高いと定義されてきた」が、「われわれはPEは高リスク、公開株は安全という概念に挑戦している」と述べた。
原題:Apollo Fundraising Grows as It Targets ‘Average Savers’ in Asia (抜粋)