“年間3試合”は未知の領域 アジアアマ開催コースに宿るオーガスタナショナルの精神
◇アジアパシフィックアマチュアゴルフ選手権 事前(2日)◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡)◇7217yd(パー70) 【画像】早大生アマ中野麟太朗がマスターズと全英の切符を目指す 太平洋クラブ御殿場コースでは、今季3回の“ビッグトーナメント”が行われる。11月の恒例ともいえる国内男子ツアー「三井住友VISA太平洋マスターズ」に加え、4月には日欧共催競技「ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」の舞台となった。そして、今週は14年ぶりの日本開催となる「アジアパシフィックアマチュアゴルフ選手権」をホストする。 これまでも国内シニアツアー「マルハンカップ 太平洋クラブシニア」との年間2試合はあったが、3試合は例がない。それぞれの大会でトーナメント側の意をくんだセッティングに仕上げること、3試合目となる太平洋マスターズへの影響を抑えること、一般営業時も変わらずコースメンバーに気持ち良くプレーしてもらうこと…。全てを並行してクリアしていく作業の大変さは並大抵ではなかった。 太平洋クラブの執行役員で、御殿場コースのグリーンキーパーを務める阿佐比一(あさひ・はじめ)さんは「フィジカル的にもメンタル的にも追い込まれる時間、追われる日々が増えたなって思います」と苦笑する。 4月の日欧共催ではDPワールドツアー(欧州ツアー)から、カップの切り方ひとつにも要求が飛んできたそう。「掘っていく最中に左右に少し揺れることで(ホールによって)カップの大きさが多少変わってくる、と」。ミリ単位にも満たないような“ズレ”まで埋めようとする徹底ぶりは、コーススタッフの意識をさらに高めていくひとつのきっかけにはなったという。 アジアアマは開催時期が向き合うべき大きな課題だった。「10月、11月というのはベント芝に栄養を一番補給しなければいけない時期なんです」。アマチュアの大会ということもあり、グリーンスピードはツアーより抑えた数字(10.5~11フィート)となっているものの、試合のセッティングに仕上げるため当然“栄養補給”はセーブすることになる。「この1カ月をどうコントロールしていくか。それは、たぶん一番難しいことではないかと思います」。大変な日々は現在進行形で続いている。