SASUKEの切込隊長が語るワールドカップへのプレッシャー「絶対にファイナルステージにいかなくては」
【SASUKEの歴史を集約した大会】 ――今回、日置さんはTEAM JAPAN Blue所属。2度の完全制覇を果たした漆原裕治さんほか、岩本照さん、渡邊麻衣さん、川口朋広さんらとともに、その錚々たる海外勢に対抗します。 日置 Blueのメンバーはそれぞれ実績があるし、個人的には完璧なチームだと思いましたね。最初は個が強すぎてまとまらないんじゃないかと思ったけど、10年以上の付き合いがある。言いたいことを言える間柄なのがよかったです。 ――大会までの準備は? 日置 本番に近いセットを作っている仲間がいるので、そこで合同トレーニングをしました。チームワークが大事なので、少ない時間でも可能な限り集まって。また雰囲気づくりには終始気をつかいました。自分が足を引っ張っちゃいけないと思うと、萎縮して思いどおりのパフォーマンスができなかったりしますから。常にポジティブな言葉をかけ続け、それぞれが全員を鼓舞しました。――日本を背負うプレッシャーもありますよね。 日置 もちろん。くどいけどSASUKEはテレビ番組ですからね。絶対に日本チームがサード、ファイナルステージにいなくてはいけない(笑)。しかもこれまで世界大会で海外勢に勝ったためしがないにもかかわらずです。それも余計にプレッシャーがかかりました。 ――チーム内での決め事などは? 日置 競技する順番に関しては事前にかなり話し合いました。チームに勢いをつけ、各メンバーが最も気分よくやれて、好結果を出せる形をとったつもりです。なかでも岩本照くん(Snow Man)は次代のSASUKEを担っていく選手。特に配慮しました。
――次代を担う選手に配慮......、今後のことも考えてと。 日置 はい。今回は、日本代表の3チーム目に"Legend"があって、長野誠さん、山田勝己さん、ケイン・コスギさんらのレジェンドが初めて日の丸を背負い出場しました。その方々が挑む姿を見せてくれなければ僕らもここにいなかったわけですし、チームレジェンドを結成してくれたことで、TBSさんからも今回のワールドカップがただの世界大会ではなく、28年間のSASUKEの歴史を集約した大会だという意思を感じました。僕らもそのなかの一部であることに誇りを持って、また未来に向けた恥じない姿を見せたいと戦いました。 ――日置さん自身、今のワールドカップを通じ、新たなSASUKEの魅力を何か感じましたか。 日置 海外の大会に行った時は、そこまででもなかったんですけど、海外の選手はみんな、本当にSASUKEが好きなんだなって。国の威信をかけた真剣勝負にも関わらず、殺伐とした様子は一切なくて、出場選手全員がめちゃくちゃうれしそうなんですよ。心から日本に来たくて、日本のSASUKEをプレーし、日本のゴールボタンを押したいんだなって。しかも誰がミスをしようが、誰もがエールを送る。選手同士へのリスペクトを強く感じました。SASUKEに国境はない。この先、まだまだ世界中で新しいSASUKEの歴史をつくっていくんだろうなと実感しました。 【Profile】日置将士(ひおき・まさし)1981年6月5日生まれ、千葉県出身。身長169㎝、体重62㎏。28歳でSASUKEに初出場し、これまで16回出場。サードステージにも8回出場経験のある中心選手のひとり。常連選手のなかでは早い番号で登場するので"切り込み隊長"とも呼ばれる。 ■森本裕介インタビュー SASUKEワールドカップを日本で開催 「サスケくん」森本裕介が海外勢を見て覚悟したこと >>
大野智己●取材・文 text by Ohno Tomoki