広島・床田 強い直球を取り戻す!「この2年のツーシーム頼みを変えないと」来季巻き返しへ肉体強化誓った
広島・床田寛樹投手(29)が自主練習に訪れたマツダスタジアムで2日までに取材に応じ、強い真っすぐを取り戻す意気込みを示した。筋力トレーニングで肉体強化を図り、今季143キロだった直球の平均球速を、来季は145~146キロへ。22年の平均球速と同レベルの数字で、直球が強くなればツーシームなどの変化球も生きるという考えだ。リベンジを誓う来季、主戦左腕は進化を続ける。 9月以降の失速を、床田は「自分のメンタルが弱かったからだと思う」と振り返った。8月末まで11勝5敗、防御率1・81と獅子奮迅の活躍。だが、優勝争いの佳境を迎えると急転し、0勝4敗、同6・65と期待を裏切る結果に終わった。 「追い込まれたという感じです。ここで点を取られると負けちゃう…とか。疲れはそんなに感じていなかったので、気持ちの面が一番大きいのかな…と」 得点力不足に泣いた今季。黒田博樹球団アドバイザーは本紙インタビューで、投手陣が9月に軒並み失速した原因を「春先から僅差の登板が続き最後は精神的なスタミナがなくなった」と分析したが、その通りの過酷な現実があったわけだ。 「まずは(筋力トレーニングで)強い体をつくる。今季はやっていない体幹系も多めに入れようかな、と」 リベンジを誓う来季に向け、進化計画はすでに練っている。まずは肉体を強化して出力を上げ、直球の質を磨いて平均球速を上げる。念頭に置くのは、右足首骨折で途中離脱したものの「僕の中では手応えがあった」と振り返る22年の数値だ。 「(平均球速を)145~146キロにし、力を入れて150キロが理想。当時はツーシームも今より20センチぐらい落ちていたんです。今はそこまで落ちないから空振りが取れないし、左の被打率が悪い。そこも磨きながら」 直球の今季の平均球速は143キロ。それを2年前と同レベルの145~146キロにまで引き上げる。そうなれば、球種割合で直球の29・6%に次ぐツーシーム(26・9%)にも相乗効果が生まれ、対左の被打率・333からの改善が見込める。 「結局この2年はツーシーム頼みだった。そこを変えないと先はないかなと思う。まずは真っすぐを(打者に)意識させるぐらい投げないと。平均球速が上がれば変化球も生きてくると思う」 来季は、出力が落ちる前に瞬発系のトレーニングを入れ、キャッチボールを「より意識して」丁寧にやることも決めた。全ては、今季の悔しさを晴らすためだ。強い直球を取り戻した先に、床田は雪辱への光を見いだす。(江尾 卓也)