悩ましい「やんちゃなスタッフ」の育て方。店長やリーダーが間違いがちなNG対応とは?
やんちゃなスタッフをどう育成するか?
長らく店長の相談にのっている著者は、「やんちゃなスタッフ」の扱い方に大なり小なり手を焼いている店長は少なくないと指摘しています。 ちなみにやんちゃスタッフとは、具体的には以下のようなタイプを指すようです。 ・注意すると不機嫌になる ・気性が荒い ・わがまま ・感情がコントロールできない ・プライドが高い (108ページより) 著者の社長時代には、42店舗のうち10店舗がギャル御用達の「マルキューブランド」だったため、マルキューギャル独特のやんちゃなスタッフを多数教育してきたのだとか。 ギャルやヤンキーに限らず、やんちゃな若手は少なくないもの。家庭環境が複雑化した現代においては、「やんちゃ」の構造も複雑化していそうではあります。では、そういった子たちにはどう接すればよいのでしょうか? この問いに対して著者はまず、カッとしたりする性分はなかなか変わらないものだと述べています。そもそも店は性格改善の場ではないので、そのことを前提として話を進めたいのだとも。 まず、前置きして指導することが重要だ。いきなり指導すると、「ダメ出しされた」とか、「怒られた」しか相手に残らない。だから、「あなたにダメ出ししているわけではなく、あなたの成長を思って言うのでちゃんと聞いてほしい」というメッセージを出してから指導する。(109ページより) たったこれだけでも、まったく違うそうです。なぜなら、やんちゃスタッフは注意された内容よりも「注意されたこと」に腹を立てるものだから。 そして、もう1つ。理解する姿勢を忘れないこと。わがままな態度を容認しろということではない。相手の理解者でないと育成が始まらないからだ。 たくさんのやんちゃスタッフを育成して気づいたのだが、彼ら、彼女らは、自分の理解者には心を開き、指導を受け入れる。自己承認欲求が非常に高いのだ。(109ページより) 具体的には、「〇〇さんのいうことはよくわかる。それは理解しているつもりだ。ただ……」といった“理解者としての立場”を示しながら指導を並行していくやり方が効果的であるようです。 逆に、はれものに触るような距離感ある対応や、相手を否定する対応は避けるべき。育成とは、「相手にシャッターを閉めさせたらなにも始まらない」ものだからです。(108ページより) 基本的には店長に向けて書かれているものの、店舗マネージャーや店舗オーナーなど、店舗ビジネスに携わるすべてのリーダーにとっても役立つ内容。これからの店舗ビジネスを発展させるため、参考にしてみる価値はありそうです。 >>Kindle unlimited、99円で2カ月読み放題キャンペーン中! 「毎日書評」をもっと読む>> 「毎日書評」をVoicyで聞く>> Source: 明日香出版社
印南敦史