知らない土地を走るときは「ローカル・ルール」にご注意!「名古屋走り」や「茨城ダッシュ」の意味をご存知ですか?
ウインカー系
次は、ウインカーを点灯させるタイミングなどに関するローカル・ルールだ。 ■「岡山ルール」(岡山県) 右左折時に、ウインカーを点灯させないか、曲がる直前に出してほぼ点灯させない。 右左折や回転する時には、ウインカーを出すことは常識だ。また、点灯させるタイミングは、右左折しようとする地点または交差点の30m手前(転回=Uターンの場合は転回しようとする地点の30m手前)などと決まっている。 「岡山ルール」は、そんな基本ルールを無視する運転だ。他の都道府県から来たドライバーが、このルールを知らないと、前のクルマがいきなり右左折で減速してしまうことになり、自車のブレーキが間に合わず前車に追突してしまう可能性もある。くれぐれも、こうした場合も想定し、どんな道でも車間距離をきっちりと開けて走ることが重要だ。
複合型ローカル・ルール
地方によっては、とくに「これ」といった代表的なローカル・ルールはないが、幾つもの危険運転を常習的に行うドライバーが多いエリアもあるという。その例を紹介しよう。 ■「名古屋走り」(愛知県) 運転歴が長いドライバーや、出張や旅行などで愛知県内をクルマで移動したことがある人であれば、一度は聞いたことがあるかもしれない「名古屋走り」。愛知県は例年、交通事故死者数が上位を占めることもあり、地元ドライバーによる「荒い運転」の悪名が、各地に轟いているようだ。前述の通り、とくに代表的なものはないが、主に以下のような傾向があるといわれる。 ・直進で信号が黄色でも止まらない(「阿波の黄走り」などと同様) ・ウインカーを出さずに右左折(「岡山ルール」と同様) ・右折の早曲がり(「茨城ダッシュ」と同様) ・対向車が左折待ちの時に強引な右折(「松本走り」と同様) などなどだ。
どんな土地でも必ず危ない運転をするドライバーはいる
ただし、じつはこうした傾向は、なにも愛知県に限ったことではない。例えば、筆者は福岡県の出身で、大学生まで地元にいた。クルマの免許もその時に取得したが、その時の運転経験でいえば、前述した「福岡の3秒ルール(黄色や赤信号でも交差点に突っ込む)」を行うドライバーだけではなかった。 とくに実家のある久留米市は、昔から「ワイルドな」運転をするドライバーが多いことで有名だったエリアだ。まさに、「名古屋走り」のごとく、「茨城ダッシュ」や「岡山ルール」など、さまざまな危険な運転のオンパレードを目にした。約35年前の話なので、現在ではどういう状況なのかは分からないが、SNSなどを見ると、やはり久留米ではドライバーの「運転は荒い」といった書き込みもある。懐かしい故郷なのに、その点だけは非常に残念だ。 また、現在は東京都町田市に住んでいるが、自宅周辺でも「名古屋走り」のような、さまざまな悪辣ドライバーは存在する。さらに、小学校の近くにあるスクールゾーンなどで、法定速度30km/hの細い道路を、通学時間帯にもかかわらず60km/hぐらいの速度で爆走する輩もいる。子どもが通学などに使う道路なのに、とても危険というのが分からないのだろうか。 ちなみに、警察庁が発表した令和5年(2023年)度中の交通事故死者数は全国で2678件。また、都道府県別の交通事故死者数ワースト5は 1位:大阪府 148件 2位:愛知県 145件 3位:東京都 136件 4位:北海道 131件 5位:千葉県 127件 となっている。