ロッテ・ソト「特に不満はなく、いいシーズンだった」リーグ2位の88打点とポイントゲッターとして打線を引っ張る
「自分のセールスポイントとして長打力だと思っていますし、ホームランを打つことが自分の仕事だと思っています。自分が打点を挙げれば挙げるほど、チームに勝ちをもたらせられると思っていますので、そういった点でチームに貢献したいと思います」。 ロッテ・ソトは3月13日の入団会見でこのように意気込み、言葉通り、リーグ2位の88打点、リーグ3位の得点圏打率.321とポイントゲッターとして打線を引っ張った。 ソトは昨季までプレーしていたDeNAで2度の本塁打王(18年、19年)、打点王(19年)のタイトルを獲得していたが、年々成績は下降し、昨季は109試合に出場して打率.234、14本塁打、50打点と、本塁打は来日後最少だった。 新天地となったロッテで、開幕2戦目となった3月30日の日本ハム戦、0-0の4回無死一、三塁の第2打席、先発・加藤貴之が2ボール2ストライクから投じた5球目のストレートを弾き返し、「両先発とも本当にいい投球をしていたので、僕のタイムリーで先制出来たことは嬉しいね」と移籍後初安打となる2点適時二塁打を放った。 4月3日のソフトバンク戦では0-1の6回一死走者なしの第3打席、東浜巨が投じた初球のストレートを振り抜き、「同点のホームランを打てて嬉しいよ。C.C(メルセデス)も良いピッチングをしてるから追いつくことができてよかったよ」とレフトスタンドへ来日初本塁打。 最高のスタートを切ったソトは開幕直後、2番や3番を打っていたが、4月14日の楽天戦以降はほぼ4番に打順を固定された。とにかく勝負強く、4月10日の西武戦では、2-2の10回一死二、三塁の第5打席、アブレイユが1ボールから投じた2球目の156キロツーシームをセンターに弾き返す決勝の適時打を放てば、5月4日の楽天戦、0-0の8回一死一塁の第4打席、先発・内が1ボール2ストライクから投じた4球目のインコース高め130キロスライダーをレフトへ決勝の第2号2ランとチームの勝利に貢献した。 5月を終えた時点で、打率.266、5本塁打、24打点。6月に入ってからは5日の巨人戦から2試合連続3打点、15日の中日戦で3打点、16日の中日戦で2打点と、交流戦では12打点をマークした。 リーグ戦再開後も、6月23日のソフトバンク戦、3-5の9回二死一、二塁の第5打席、「ストライクゾーンで打てる球を探していたら、真っすぐをしっかり前でとらえることができて、ホームランになって良かったよ」とオスナが1ストライクから投じた外角の156キロストレートをライトラッキーゾーンに飛び込む一時逆転となる第7号3ラン。 ソトは得点圏で意識していることについて「そこは自分のプレッシャーじゃなくて、ピッチャーのプレッシャーの場面だと思っていて、できるだけ自分にプレッシャーを与えないようにしています」とし、パ・リーグの投手に対応するために「特に特別なことはやっていないんですけど、体の状態もいいし、バッターボックスでの感覚も良い。状態が良い時にはボールをもう少し見えるので、それだけです」と語った。 6月は月間18打点、第10号3ランを放った7月10日のオリックス戦で、山川穂高(ソフトバンク)を抜いて一時リーグトップの打点をマークした。ソトの勢いは増し、7月も月間23打点と積み重ねた。 8月に入り、調子を落としたが、「自分のやるべきことをしっかりやって、自分にプレッシャーをかけずに練習、試合に取り組んでいます」と変わらず、自分のやるべきことに矢印を向け試合に備えた。 9月に入り再び上昇する。5日の楽天戦で「完璧です。しっかり前でさばくことが出来たし、打つべきところで打てたかな」と第15号2ランを放つと、8日の楽天戦では1本塁打4打点の大暴れ。10日のオリックス戦ではスーパーマリオパワーで1試合2本塁打、翌11日のオリックス戦でも本塁打を放ち、8日の楽天戦から14日の西武戦にかけて打率.579(19-11)、5本塁打、11打点と打ちまくった。 9月入ってから状態が上がった理由についてソトは「村田コーチとアナリストの方々にメカニックに関してはこれをやった方がいいよというものがあって、そのドリルをやっていたらどんどん調子が上がってきました」と、足の使い方をうまく使えるように行っていたドリルの成果だと説明。 5月以降は8月こそ5打点だったが、5月が16打点、6月が18打点、7月が23打点、9月は18打点を挙げた。月間で何打点を稼ぐといった目標を立てていたのだろうかーー。 「そういうことは考えずに自分がどれだけチームのために頑張れるか、その日にどれだけできるかを考えているだけなので、打点とかを考えずにやっています」。 チームのために頑張った結果がリーグ2位の88打点に繋がった。レギュラーシーズンを「自分としてもチームとしても浮き沈みのあったシーズンですけど、そこには特に不満はなくて、いいシーズンだったと思います」と振り返った。 長打、得点力を課題にしていた中で、グレゴリー・ポランコとともに、ポイントゲッターとして機能した。クライマックスシリーズに進出できたのもソトの打棒によるところが大きかった。 取材・文=岩下雄太
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