PwCコンサルティングが説く「企業がDXを成功させるポイント」とは
「AIエージェントにはさまざまなレベルがある」(グーグル・クラウド・ジャパン 執行役員 テクノロジー部門 兼 事業開発本部 寳野雄太氏) 米Google Cloudの日本法人グーグル・クラウド・ジャパンの寳野(ほうの)氏は、同社が先頃開いたAIエージェントの新サービスに関する記者説明会の質疑応答で、AIエージェントの定義を問われてこう答えた。その説明が興味深かったので、明言として取り上げた。 Google Cloudはこのほど、法人向けAIエージェント「Google Agentspace」を発表した。日本法人の会見はそれを受けたものだ。寳野氏はその冒頭で、「AIはこれまでの生成AIや大規模言語モデル(LLM)から、それらを使ったAIエージェントとして実用化していくフェーズに入った。当社としてもこのAIエージェントに注力していく」との姿勢を示した(図3)。 一方で、同氏は「エンタープライズにおける生成AIの利用は、コンシューマーのユースケースより複雑だというフィードバックを多くのお客さまからいただいている。調べてみたところ、89%もの従業員が生成AIを使うときに6つ以上のソースから情報を検索していることが分かった」とも述べた(図4)。 その上で、「こうした状況はさまざまな問題を誘発している」として、実際に日本で起きている例として次の3つを挙げた。 1つ目は、「サイロ化した検索、そしてエージェントの乱立によるユーザー体験の悪化」だ。 2つ目は、「適切なアクセスコントロールのない統合エージェントで発生する、プライバシーとデータ流出のリスク」だ。 3つ目は、「文書、データ、そして質問への回答を探す時間の無駄による生産性の低下」だ。 そして、新サービスのGoogle Agentspaceについては、「データがホストされている場所に関わらず、(Googleの生成AIである)『Gemini』の高度な推論、Google品質の検索、全ての企業データを統合するエージェントにより、従業員のその企業に関する専門知識を解き放つ」との特徴を強調した。 会見で説明があった詳細な内容については関連記事をご覧いただくとして、ここでは最後に質疑応答でのAIエージェントの定義についての質問で、寳野氏が冒頭の発言にあるように「AIエージェントにはさまざまなレベルがある」と述べた後のコメントを紹介しておこう。 「ベーシックなレベルは、人間の何かしらの動作を代わりにやってくれることだ。例えば、画像を生成してくれるのはクリエイティブな作業を代行している。一方、高度なレベルではさまざまな業務をカバーし、それらの一連の業務プロセスを人間からのフィードバックも取り入れながら遂行していく。これからこうした高いレベルのAIエージェントが続々と登場するだろう」 その意味では、図3に示されたエージェントは両方のレベルが入り混じった形だ。果たして、人間とAIエージェントはうまくやっていけるのか。この点で、2025年はいろいろなことが起きそうである。