「気合いが足りないから」ではない…「朝型・夜型」には"生まれつき"備わった体内時計が影響している
がんばっても「早起き」できないのは…
早起きこそが一流のビジネスマンといわれ、早朝出社や出勤前の運動など、朝活に励んでいる人は多い。“朝活=仕事ができる人”というイメージがあるが、朝が弱い人にとっては苦痛と感じるだろう。 【えっ!そうなの?】よく眠れる遺伝子タイプが多い都道府県、2位は秋田県。1位は? 「実は早朝の“朝活”は、どんな人でも体質に合うわけではありません。朝に活動的になるのか、夜に活動的になるのかといった活動のタイミングは、一人ひとり少しずつ異なることが睡眠の研究で明らかになっています」 と話すのは、国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 睡眠・覚醒障害研究部の北村真吾さん。個人が持つ活動のタイミングの傾向を「クロノタイプ」という。 「クロノタイプは一般的に朝型・夜型と呼ばれるもので、朝型は早寝早起きが得意で朝から食欲があり、その代わり夜遅くまで起きていられない人。夜型はその逆で、朝が苦手で午後になると元気になり、遅い時間に眠りにつく人です」 がんばっても早起きができない、反対に夜遅い飲み会に眠くて付き合えないのは、自分の気合いの問題ではなく、朝型・夜型をあらわす「クロノタイプ」に合わない時間帯の活動なのかもしれない。 「私たち人間の体には『体内時計』が備わっています。朝になったら目が覚めて、夜になったら自然と眠くなるのは、体内時計が規則正しく働いているからです。クロノタイプは、この体内時計に影響されています」 個人によって違うクロノタイプは、朝型と夜型の2つだけに分類されるのではなく「極端な朝型・やや朝型・中間型・やや夜型・極端な夜型」のように、なだらかに正規分布しているという。 「これには、生まれ持った複数の遺伝子が関連していると報告されています。朝型・夜型に遺伝的要因がどの程度関わっているかは双子研究で調べられ、約半分は遺伝的要因、残り半分はその他のさまざまな要因で決まるといわれています。 それには、例えば年齢があります。10歳~20歳くらいまでの間は夜型が進み、20歳過ぎてからは緩やかに朝型化します。年齢を重ねると朝が早くなるのはこのためです。また、太陽の光や蛍光灯などの人工的な光を浴びる量も関係しています。つまり、年齢や環境要因を除いた半分くらいは遺伝子要因で生まれつき決まっています」