建設用電線大手メーカー・販社が相次ぎ新規受注再開へ。SFCCは3月から低圧品で
建設用電線を手掛ける大手メーカー・販売会社は来月以降の新規受注再開を相次ぎ打ち出している。昨年からの需給ひっ迫に伴い市場では受注制限の動きが拡大。現在も「フル生産を続けている」(メーカー幹部)状況で、各社供給体制の立て直しを急いでいる。その中で先週には住電HSTケーブルとフジクラ・ダイヤケーブルが新規受注再開を発表。23日にはSFCCが続いた。同社は3月1日に低圧品で再び受け付けを始める。再開時期・範囲は各社異なるが、新規受注を停止した大手企業4社のうち3社が再開を決めたことで、過熱していた市場の鎮静化が期待される。 建設用電線は高圧品で先行的に需給が引き締まり、その後数量が多い低圧品でもタイト感が強まった。大手企業では「足元にはまだひっ迫感はある」との見方が大勢。だがその中でも電気工事・建設工事への影響抑制などへ、新規受注再開に向けた動きが顕在化してきた。ある大手メーカーの幹部は「一刻も早い市場正常化を願いたい。震災対応もあり安定供給しなければ」と話す。 新たに再開を打ち出したSFCCは「在庫量回復は満足できる状況から遠い」としつつ今後の出荷量や環境を精査。受注制限を敷いた低圧品の大部分となるIV、600VCV・CVT、CVVについて全サイズで新規受注を再開する。 注文後のキャンセルは受け付けず、3月18日以降に納入再開の予定。状況により再度新規受注を停止する可能性はあるが「製造能力限界での生産を続け在庫量回復に努める」とする。600V対応のCVDとCVQのほか、600V超の高圧品は3月末まで新規受注停止を続ける。 住電HSTケーブルは高圧・低圧品の双方含め新規受注を停止した大半の製品で2月中に受け付けを再開。フジクラ・ダイヤケーブルは新規受注を一時停止した建設用低圧品のすべてで2月5日に受注の受け付けを再開する計画となっている。 矢崎エナジーシステムでは新規受注について再開時期を含めて検討中。低圧品・高圧品ともフル生産だが「製造したものはすでに注文いただいている顧客に充てている」とする。現在は新規受注に向けた在庫はたまっていない状況だが、既に受けた注文への対応のめどがつき、在庫積み増しの準備状況などを勘案しながら「品種ごとの段階的な(受注制限の)解除を想定している」という。