修学旅行誘致、裾野広げ 金沢市の奨励金を初利用 11日、カナダの中学生来訪
●金箔体験や茶屋街散策 修学旅行を対象とした金沢市の奨励金制度を利用して企画された初めてのツアーが11日に始まる。カナダ・カルガリー市のランドルカレッジ中の3年生と教員の計80人が3泊4日の日程で市内を訪れ、金箔(きんぱく)貼り体験やひがし茶屋街の散策を楽しむ。国内の修学旅行の需要が限られる中、市は今回のツアーを皮切りに、海外からの修学旅行を積極的に誘致し、さらなる外国人ファン獲得を目指す考えだ。 今年度に新設された「市修学旅行等誘致推進事業費奨励金」は、市内での宿泊を含む修学旅行を誘致した旅行会社を対象とした制度。宿泊した児童・生徒1人につき2千円が会社に交付される。 今回はティ・エ・エス(東京)が旅行を手配した。ランドルカレッジ中の一行は1日目の夜に市内のホテルに到着。2日目は金箔貼り体験や武家屋敷の散策、3日目は白川郷や兼六園を巡り、4日目午前に金沢をたつ内容となっている。 県によると昨年度に市とともに誘致した修学旅行数は前年度比157校減の191校。コロナ禍では行き先を都市部から地方に切り替える「特需」もあって、北陸への修学旅行は好調だったものの、コロナが落ち着きを見せ、新たな需要の掘り起こしが課題となっている。 市観光政策課の担当者は修学旅行の誘致は平日の観光需要の拡大にもつながるとし、「奨励金制度の新設をきっかけに国際的な若いファンを増やし、将来のリピーター獲得につなげたい」と話した。