外に放置され『存在すら忘れ去られた犬』数ヶ月後の変化に…「涙が出ます」「寂しかったんだな」「幸せになってほしい」
第二の犬生を謳歌してほしい
保護から数ヶ月が経ったゆうちゃん。薬浴と投薬を続けて皮膚と炎症、脱水は改善されました。今は投薬も終わり、新しいうぶ毛も生えてきて痒さや匂いは治ってきていますが、まだまだケアは必須だといいます。 毎日安全な室内で過ごし、1日に3回はランでお散歩をするゆうちゃん。天気がいい日はデッキで陽を浴びながら散歩をし、それ以外は好きな場所で寝て、同じように要観察をしているハイシニアの猫と昼間は同じ空間で仲良く過ごしていると…。また夜はおっぽの会の代表さんがいる部屋で暖かく過ごして寝ていると話します。 最近では自我も出て、頑固な一面も見せるようになり、生きているという感じが出てきているというゆうちゃん。 スタッフの皆さんから見ると、ゆうちゃんは「穏やかで優しい子、年寄りらしく頑固な一面もありますが、どんな犬猫とも静かに過ごせます。 可愛いおじいちゃんです」と話します。 そんなゆうちゃんには、これから危険なこと以外はすべて制限なしで、第二の犬生を謳歌してほしいといいます。 「外で暮らしていたときのように外敵に怯えることなどなく、今後もずっとスキップしながら爪を鳴らして歩く音をそばで聞いていたい」というのがスタッフさんたちの思いです。
「ペットさえ助けたらOK」という考え方を打破するために
犬猫の保護活動をおこなっていく上でおっぽの会では、ゆうちゃんのように保護しなくてはならないケースが多い中でも、飼い主さんからペットを取り上げてしまうことがベストではなく、生き甲斐であろうペットと共に過ごせるようにサポートを兼ね備える必要性があるケースもあると話します。 たとえば、飼い主さんが家を出られないようなケースでは、飼い主さんが外へ出なくてもいいように、散歩やペットの環境のお掃除、動物病院への通院などをおっぽの会が通いながらサポートをするのです。そこで「ペットだけではなく、飼い主さんの体調の変化なども観察できるような活動も今後精力的に取り上げていき、地域のペットや飼い主様を見守りサポートする体制も進んでしていきたい」と。 保護する側の中には「ペットさえ助けたらOK」という考え方をする人もいます。 「このような考えを打破するためにも、見守り隊のような活動を続けていきたいです」と代表さんは今後の思いについて話してくれました。 ペットを飼うということは簡単です。しかし、その後のことを考えたことはあるでしょうか?ゆうちゃんを飼っていたご高齢の夫婦のように、老いは誰にも訪れ、認知症になることも考えられます。そしてペットの存在を忘れ、ペットは人間の都合によって命を落とすことにもなりかねません。 ゆうちゃんのような例は他人事ではなく、誰にでも起こり得ることとしてもっと真剣に考えていく必要があるのかもしれません。
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