石破氏が勝利した自民党総裁選で、１回目の投票では２位だった石破氏が、決選投票でなぜ高市氏を逆転できたのか。逆転勝利の要因をフジテレビ政治部の松山部長に聞きました。 フジテレビ・松山俊行政治部長： それぞれ派閥の力を借りながら出馬した候補がいる中で、完全に派閥とは関係なく 立候補した石破さんが総裁になった。そういう意味では、この時代に象徴的な候補が総裁になった」 9月27日に行われた自民党総裁選。１回目の投票では、石破氏は高市氏に27票の差をつけられました。 高市氏…181票（議員票72・地方票109） 石破氏…154票（議員票46・地方票108） しかし決選投票では…。 「高市早苗君194票、石破茂君２１５票であります」 議員票、地方票とも高市氏を上回り、逆転勝利を収めました。 高市氏…194票（議員票173・地方票21） 石破氏…215票（議員票189・地方票26） この「逆転劇」の要因は…。 フジテレビ・松山俊行政治部長： １回目の投票で、小泉さんが敗れた場合はその票がそのまま石破さんに乗ってくる予測だった。プラス岸田さん率いる岸田派の票が大きな塊として乗ってくる見通しがあった。最終盤で岸田派ほぼ崩れずに石破さんに乗った」 いわゆるキングメーカーの麻生副総裁、菅元総理の支持が割れる中、松山部長は、 岸田総理の影響力が決定打になったと見ています。 そしてもう一つ大きな要因になったのが…。 石破茂氏： 私は至らぬ者でありました。議員生活38年になります。多くの足らざるところがあり、多くの方々の気持ちを傷つけたり、いろんな嫌な思いをされた方も多かった。 決選投票直前の５分間の演説が、どちらに投票するか決めかねていた議員の心を 動かしたと指摘します。 フジテレビ・松山俊行政治部長： 謝罪をするような演説を行った。これがかなり高評価。 一方で高市氏の演説は、これまで表に出していなかった「女性総理が初めて誕生」を敢えてここで強調した。一票でも票を獲りたいからという無理やり付けた演説だったという見方になった。 石破新総裁は、30日に党の役員人事を発表。そして1日の臨時国会で、第102代の首相に就任する見通しで、その後、直ちに新内閣を発足させます。 次第に固まってきた石破新内閣の陣容については…。 フジテレビ・松山俊行政治部長： 「石破色」を出すために悪戦苦闘している布陣。決選投票であれだけ多くの票を集めた高市陣営からあまり多くを起用していないことを考えると、党の半分を非主流派勢力として抱えることになるので、今後の党運営では不安定になってくる。 石破新総裁が10月27日に投開票を行うことを表明した解散総選挙で、戦える布陣を意識しているといいます。 フジテレビ・松山俊行政治部長： 刷新感という意味では、新入閣組を揃えて選挙に臨むということ。選挙対策委員長に小泉進次郎さんを起用したので、そのあたりの刷新感を前面に出して選挙を戦うという構図だと思う。