ミドリガメ…ノロマと侮ることなかれ 野生化し増殖、生態系に影響
■地域づくりの一環で楽しんで防除を
防除活動の先進事例として、西堀さんは兵庫県加古川市の寺田池での取り組みを紹介する。2006年から08年まで工事のため、水を抜いたとき、おびただしい数のアカミミガメを確認。「大変な状況だと思いました」と西堀さん。それから、東播磨県民局の協力を得て、地元のため池協議会、水利組合、学校などを巻き込み、日光浴するカメの習性を活用したわなを設置したり、学習会を開いたりするなどさまざまな取り組みを展開した。 活動が実り、16年ごろから水草やハスが増え、19年にはレンコン掘りができるような状態にまでなった。ただこれをゴールとはせず、「良い環境になったということは、アカミミガメも増える環境だということで、駆除活動は場合によっては半永久的にやっていかないといけない。大切なことは地域づくりの一環として、行政と住民の両輪が楽しく続けられる工夫が必要」と助言する。
■地域と連携した活動 京都府が講習会
外来生物対策として京都府は、地域と連携した防除活動を推進するため、昨年11月と今年3月、福知山市猪崎の三段池公園で、西堀さんらを講師に招いた講習会を実施。近隣自治体の職員や関係者を対象に講義のほか、捕獲わなの設置実習などを行った。 京都府自然環境保全課は「被害が拡大する前に早めの発見、対処が重要です。池でたくさんのカメが日光浴していると注意が必要なサインです。外来生物対策に取り組む市町村や団体を支援していますので、関心があれば相談してください」と呼びかけている。