愛媛県が「養殖サバ」の稚魚の生産に成功!産地化めざし養殖業者に初出荷
南海放送
水産王国えひめが今度は“サバ”で日本一を目指します。県が養殖サバの完全養殖に成功し、きょう初めて稚魚が出荷されました。料理人からも期待が高まっています。 けさ、宇和島市にある県水産研究センターでは…水槽の中をものすごい速さで泳ぐ体長およそ8センチの小さな魚。この魚が、今回愛媛県が完全養殖に成功した“マサバ”です。きょう、このサバの稚魚を養殖業者に初めて出荷しました。 日本一の魚の養殖県、愛媛。マダイやハマチなどが有名ですが、今回なぜ“サバ”に目を付けたのでしょうか。 県農林水産研究所 水産研究センター 渡邉昭生センター長: 「(養殖)サバはもともと味が良くてアニサキスの食中毒の可能性も低いので、市場では評価高かったし高値で取引されてた」 養殖サバは生食が可能で、養殖期間はおよそ1年でマダイやブリに比べて半分ほどと短い上、1キロ当たり1500円~2000円と高値で取引されているため、養殖業者の安定的な収入につながると期待されています。 しかし、これまでサバ養殖の大きなハードルとなっていたのが。 「サバは種苗生産が難しいのは卵をとる技術。それも少しずつクリアしながら課題を解決できれば」 県は昨年度、天然のサバで人工授精を行い、そこで生まれたサバは愛南町の業者と試験養殖し、親魚まで成長。そして今年度、その親魚から人工授精させた受精卵でサバの稚魚の生産に成功したのです。 愛媛県が目指す養殖サバの産地化。松山市内で瀬戸内の魚を中心に地元の郷土料理が味わえるこちらのお店。 銀次郎 兵頭雅記料理長: 「(マサバは)使いたいがちょっと使いにくい魚。加熱だとか冷凍したものだと安心して食べられるが、生で出すというとリスクがあるので難しい」 現在、お店ではサバは扱っていないということですが、養殖サバが市場に出回ると安定して入荷ができるほか、料理の幅が広がるといいます。 兵頭料理長: 「サバは生にしてもどんな調理にしてもおいしい魚なので養殖ができるのであれば安心して出すことができる。年中通して魚を出せるのは僕らとしても嬉しい」 今回、水産研究センターでは愛南町など宇和海沿岸の養殖業者4社にあわせて2万8000匹のサバの稚魚を無償提供し、1年で出荷サイズの400グラムほどに成長させる予定です。 中田水産(愛南町)大戸友也さん: 「結構大きくなるのが早いのでそこがちょっと面白いかなと思います。ちょっとでも多く出荷できて地元のほうで貢献できたら」