長野県の塩尻・桑の湯の雰囲気再び 営業終了の銭湯で写真展
6月末に95年の営業を終えた塩尻市内唯一の銭湯・桑の湯(大門一番町)で24日、営業終了までの主に3日間に館内で撮影された写真展「つなぐ」が始まった。名古屋市のカメラマン・駒田匡紀さん(53)が撮影した作品で、25日、31日、9月1日の週末4日間限定で約30点が並ぶ。「再び桑の湯の雰囲気を味わって」と来場を呼び掛けている。 写真は2L~B1判で、風呂に入る常連客や廃材のまきを使う釜場、スタッフの集合写真もある。月2回程度利用してきたという安曇野市穂高の会社員・太田伸夫さん(60)は「お湯が軟らかく、スタッフもやさしく雰囲気も良いしホッとする場所だった」と話した。 駒田さんはカタログ製品や店舗案内の撮影を手掛け、鉄道の廃止路線に関する写真集なども出版している。インターネット上の新聞記事を通じて桑の湯に興味を持ち、閉業の節目を記録した。駒田さんは「(経営者が)仕事やお客さんを大事にする姿勢と、お客さんも風呂を大事にしていることに感動した。1枚の写真で思い出す機会や人が集まるきっかけにもなる」と語る。 4代目経営者の桑澤弘幸さん(53)は「風呂の準備はできないが、一人でも多くの人に見てほしい」とする。事業継承者の決定手続きも進行中で、「次につなぐ期待もしている」と語る。午前11時~午後6時。入場無料。桑の湯Tシャツやせっけん、瓶に入った牛乳の販売もある。
市民タイムス