第１Q、試合開始早々に負傷退場した兄のQB秀太に代わり奮闘したQB星野太吾（１９番、カメラ・豊田　秀一）

◇関西学生アメフト▽第６節　関学大３１―１５関大（２６日・花園ラグビー場） 　関学大が３１―１５で関大を破り、２０１８年から６大会連続６１度目のリーグ優勝を決めた（２０年は変則日程のため優勝回数に含まない）。開幕前に部員の大麻使用疑惑が浮上したが乗り越え、１試合を残して６連勝でＶ。エースＱＢ星野秀太（３年）＝足立学園＝が開始直後に負傷交代も、弟のＱＢ太吾（１年）＝同＝らがカバーし、関大に昨秋のリベンジを果たした。１敗の立命大は同率Ｖの可能性を残す。関学大が出場当確の全日本大学選手権（決勝が１２月１５日、甲子園ボウル）には３位までが出場する。 　星野兄弟の絆が関学大を優勝に導いた。第１クオーター（Ｑ）２分でＱＢの兄・秀太が負傷。担架で運ばれ、弟で同じＱＢの太吾が代役を務めた。「準備はしていた」と短いパスを何度も決め、１７―６の第３Ｑには、２７ヤードのパスでＷＲ五十嵐太郎（３年）＝関西学院＝のタッチダウン（ＴＤ）を呼んだ。「兄には点取ったぞと伝えたい」と胸を張った。 　兄が使っていたシリコンバンド３本を試合中、マネジャーから受け取った。「やり切るしかない」と１年ながら司令塔を務めた。大村和輝監督（５３）は「星野兄が抜けても、ベンチも慌てることはなかった。去年よりもいいゲーム」と昨季１３―１６で敗れた関大に雪辱し、うなずいた。 　開幕前には大麻騒動で注目を浴びた。ＬＢ永井励主将（４年）＝関西大倉＝は「あの件は風化させていない」と受け止め、「輝いているアメフトをしよう、関学は違うと思わせる行動を取ろうと言ってきた」とチームをまとめ上げた。 　リーグ６連覇にも「実感はない」と指揮官。甲子園ボウル７連覇を掲げるチームにとっては通過点だ。最終節・立命大戦（１１月１０日・万博）へ「総力戦」と永井主将は全勝Ｖへ意気込み、星野太も「自分のできることをやるだけ」と気合十分。１位通過で大学日本一へ弾みをつける。（森脇　瑠香）