本質を問う「Why型質問」が苦手な日本人の大問題 本質を問う「Why型質問」が苦手な日本人の大問題
■What型の質問とWhy型の質問の違い 厳密に言えば2番目の質問の疑問詞はWhere、3番目の質問の疑問詞はWhoとなりますが、これらは全て「What型の質問」ということにします。 続いてWhy型というのは「どうしてこうなっているのか?」とか「なぜそういう計画なのか?」といった、文字通り「なぜ?」という理由や背景を問う質問のことです。 ここで、先ほどの「今だけしかできない質問」とはこれら2つのうち、どちらの質問か考えてみてください。明らかにWhat型の質問であることがわかるでしょう。
「経費の承認は誰に申請すればいいんですか?」とか「うちの会社ってどこに工場があるんですか?」といった質問は、確かに入社して5年もしてからしたら恥ずかしい質問と言えるでしょう。 つまり、OJTの世界で暗黙のうちに想定しているのはWhat型の質問ということなのです。 これまでの日本の会社(あるいはビジネスに限らず社会全般)では「なぜ?」と聞くこと、つまりWhy型の質問はあまり歓迎されませんでした。たとえば先輩からの仕事の指示に対して(たとえそれが単純に「理由を聞きたい」だけだったとしても)「なぜこれをやる必要があるんですか?」などと言えば、「つべこべ言わずにとにかくやれ!」ということになったでしょう。これ以外でもとかく「なぜ?」という質問はいい大人がすると煙たがられる質問でした。
ところが今求められているのがまさにこの「なぜ?」という質問なのです。 「なぜ?」というのは思考回路を起動するパスワードのようなものです。「なぜ?」を封印させるということは思考停止の強制を意味します。今改めてWhy型思考を導入する上でこの「悪習」にチャレンジしたいと思います。 What型の質問、Why型の質問というのが性質が異なるということは前項でおわかりいただけたのではないかと思います。 「性質が異なる」ということを見たときに、ここで一つ指摘しておきたいのが、「当たり前の質問」というものの位置づけです。当たり前の事象についてのWhat型の質問というのは「愚か者がすること」ですが、反対に当たり前のことに対してのWhy型の質問というのは極めて本質的なものになるのです。