研究者が主体、東京科学大がシンクタンクを設立する狙い
東京科学大学は研究者が主体のシンクタンク組織を2024年度内に設立する。国や企業を対象に各専門分野の将来像やリスクを分析し助言する。研究者が構成員となるため、調査分析にとどまらず自ら実験・検証して発信し社会実装へつなげられるのが特徴だ。他のシンクタンクや国際機関と組織同士の関係を構築して、国際社会に政策を提言する。 30秒で分かる「国際卓越研究大学」 新組織は「シンク&ドゥタンク(THINK & DO TANK)」としており、考えて実行するシンクタンクを掲げる。研究者が活動するため、一般的なシンクタンクの俯瞰(ふかん)的な分析の上に実行が加わり、具体的な説得力を持つ提言が可能になる。 大学としてシンクタンク組織を持つことで、研究者個人のコンサルティングから組織としての政策提言が可能になる。大学としての価値を高め、世界から優秀な人材が集まる好循環を作る。 組織発足後、25年度に学内執行部向けの分析業務などでシンクタンク機能を精緻化し、27年度には学外向けにシンクタンクのサービス提供を始める計画。海外の資金配分機関との連携や大学との国際共同研究、海外企業との国際産学連携を組成するために、26年度に海外拠点を一つ、27年度に二つ新設する。相手組織の環境やニーズが日本とは大きく異なるため、直接ヒアリングを重ねる。