ソニー・ホンダの川西社長「日本納車、半年遅れの感覚」 EV「アフィーラ」、米国で受注開始
ソニーグループとホンダが出資するソニー・ホンダモビリティの川西泉社長兼COO(最高執行責任者)は8日(現地時間)、電波新聞などとのインタビューに応じた。電気自動車(EV)「AFEELA 1(アフィーラ ワン)」の日本での展開について、「2026年内に納車する。(米国の納車開始から)半年遅れぐらいの感覚で進めている」と述べた。米国市場の立ち上げをまずは重視しつつ、「日本チームがあるため、並行して進めていく」などと語った。 【関連写真】2026年内に日本でも納車を予定する「AFEELA 1」 同社は6日、開発しているアフィーラ ワンの受注を米国で開始すると発表。川西社長は予約状況について「順調に推移しており、手ごたえを感じている」と述べ、今後の受注拡大に向けて期待を寄せた。 アフィーラ ワンは2機種を用意。価格は8万9900ドルからとなる。現在の為替レートで円換算すると1400万円を超える。 川西社長は「アメリカ市場での受け止められ方が重要で、(為替の問題もあり)日本人の捉え方とは差がある」と述べた上で、「(EVとして)値段的には高い部類ではあり、価値を訴求する必要がある」と強調。移動手段としてこれまでの車が追求してきた走行性能や運動性能といった側面ではなく、「新しい軸を作りたい。自分たちの中でそれがはっきりしてきており、今回の発表で打ち出すことができた」と手ごたえを語った。 一方、EV市場では米テスラや中国BYDなどが強みを発揮する。自動車大手も新製品を続々と投入するなど競争が激化している上、足元では市場が鈍化傾向にあるなど厳しさもにじむ。自動車市場全体ではSUV(スポーツ多目的車)の人気が高まる中、アフィーラはセダンだ。 これらについて川西社長は「デザイン面やビジネス面を考慮すると違う形(デザイン)にした方がいいと思っている」と認めた上で、「私も含めて作ったことのない人が車を作っている。従来の売れ筋商品ではない特徴を出しやすいのがセダンだった」と話した。 事業の拡大にはラインアップ拡充も重要になってくる。川西社長は今後の方向性に関し「長く使ってもらうためにサービスを拡充することが大事。ハードの『モノ売り』で勝負するのではなく、生活に貢献するようなところを充実させていきたい」とし、ソフトウェアアップデートで購入後も進化させていく考えを示した。同時に「ある程度のバリエーションは必要だと思っている」とラインアップ拡充も検討していることを明らかにした。
電波新聞社 報道本部