国交省、認証不正の再発防止策をとりまとめ 量産車の抜き取り検査やマイナーチェンジなどでも審査を実施
国土交通省は12月24日、ダイハツ工業やトヨタ自動車など自動車メーカーで認証試験の不正が相次いで発覚したことを受けて、再発防止策の検討会が対策をとりまとめた。再発防止策として、型式指定後の量産車を抜き取り検査して保安基準適合性を確認するほか、不正が発覚した自動車メーカーに対しては、マイナーチェンジなどの型式変更の申請でも変更内容以外も審査する。実施時期は未定だが、国交省では法令の整備を含めて「できるだけ早く具体化する」方針だ。 「自動車の型式指定にかかる不正行為の防止に向けた検討会」が対策をとりまとめた。検討会はダイハツの認証試験の不正が発覚したのを機に4月に設置したが、トヨタなどでも認証試験の不正が発覚したことで、今夏に予定していた対策のとりまとめが12月下旬までずれ込んだ。 再発防止対策として型式指定後の量産車の抜き取り試験を実施するほか、認証業務に関する内部統制の実施状況に応じて、自動車メーカーへの監査や適合性監視の回数を増減させる。 また、認証業務に関する内部統制の強化を促すため、認証業務での法令遵守を経営方針に明記することや、認証業務の責任者、型式指定を申請する車種のプロジェクト管理者を明確にすることを義務付ける。第三者機関が自動車メーカーの内部統制の状況を評価することも推奨する。 不正が発覚した自動車メーカーには、マイナーチェンジなどの型式変更でも国の判断で変更内容以外も審査するのに加え、型式指定申請時に再発防止策を適切に実施していることを証明する書面の提出を求める。また、国が指定する項目や条件で量産車を試験して結果を国へ報告することも求める。 一方、安全や環境規制の強化で自動車メーカーの開発部門や、国の審査・監査の負担が増している。このため、年に複数実施している保安基準の適用時期を年1~2回となるべく集約し、負担軽減を図る。さらに、自動車の認証制度がスムーズに機能するように、自動車メーカーの幹部クラスと国交省が定期的に意見交換する官民協議会も設置する。