がん患者のガザ送還決定 イスラエル、広がる不安
【エルサレム共同】イスラエル当局が3月中旬、がん治療を終えたパレスチナ自治区ガザ出身の患者はガザに送還すると通告、患者たちに不安が広がっている。ガザではイスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘が続き、医療機関も攻撃にさらされている。人権団体は「不衛生で食料も不足するガザに患者を送ることは死刑宣告のようなものだ」と批判している。 「戦闘地域に送還されると聞いて衝撃を受けた」。3月下旬、イスラエルが占領する東エルサレムで元教師アブドルラフマン・ジューダさん(78)がぽつりと語った。 ジューダさんはガザ最南部ラファ出身。昨年7月、鼻の皮膚がんと診断され手術したが、完治しなかった。