【実話】88歳の義父が戦時中の実体験を赤裸々に語る!?今とは違いすぎる暮らし&戦争犯罪に驚愕する嫁【作者インタビュー】
まげよ(@mageyoozu)さんは2024年8月に「お義父さんが生きた戦時中の記憶」を投稿し、竹書房コミックエッセイ大賞を受賞したエッセイ漫画家だ。義父が幼少期に体験した戦時中の暮らしをリアルに描き、体験者ならではの話が興味深い。本作を描いたきっかけや戦争に対するイメージなどについて、まげよさんにインタビューした。 【漫画】本編を読む ――本作を描こうと思った理由について、お聞かせください。 うちは歳の差婚で、お義父さん(マキオさん)は昭和1桁生まれです。義父母と同居する中で、ちょいちょい「アレ!?なんか、歴史の教科書で聞いたことある単語!?(教育勅語など)」が会話の中に混じっていたりして、「もしかしたら戦時中の話が聞けるのかな?」と思いました。生きた生の記憶をたくさんの人にも届けたいと思い、勢いで描き始めました。 ――戦時中を生きた人の体験談はリアルですね。本作の中で、まげよさんにとって印象的な話はどれですか? B29が村に墜落した話です。それまでわりと子ども目線で見るその時代の話で純粋な目線の体験談だったので…。あのお義父さんの口から【戦争犯罪】という言葉が出てきたので、驚きました。 ――義父から戦争の話を聞く前と聞いたあとでは、まげよさん自身、戦争に対するイメージにどんな変化がありましたか? こうして生で体験者から話を聞くことで、「昔の人のやったこと」と教科書を擦ったような戦争のイメージだったのですが、それが「本当にあったごく最近の事実」と思うようになりました。そして、調べれば調べるほど、当時の日本がしていたことが信じられなくなります。本作を描いた当時は世界で戦争は目立っていませんでしたが、今はロシアとウクライナなど、本当に昔の日本と同じことが世界で起きていることに気づく日々です。もし本作を描いていなければ、対岸の火事止まりのニュースだったと思います。 ――本作を通して、読者にどのようなことを伝えたいですか? 子ども目線で見た戦時中の話は、その時代に反してなんだか楽しそうなんですよね。子どもたちを将来戦争の協力者にするための教育もされていたはずですが、それに染まらない子どもの話。しかし、そこに確かにあった戦争の事実。幸せとは、本当に単純な感情だということが伝わるといいです。 ――最後に、今後の展望についてお聞かせください。 本作は「竹書房コミックエッセイ大賞」にて大賞を受賞し、人生初めての受賞でした。そして、竹書房にて単行本が決定しております!来年が戦後80年の節目の年なので、それまでには完成させたいと願っているところです。単行本化にあたり、日本の太平洋戦争について詳しく調べてたくさんの事実を知り決して教科書に書かれない苦しみも描いています。義父の話を聞かなければ、私も一生知ることもなかった事実。戦争が身近にある今だからこそ、皆さんの目にもぜひお届けしたい一心で執筆しています。 そして、元気だった義父マキオさんも物忘れが激しくなったり、運転免許を返納したり、病気が見つかったりで確実に弱ってきています。こうやって生きた記憶が少しずつ失われていっていることに気づきました。だからこそ、少しでも早く完成させたいです。 まげよさんは手書き風の作品が多く、ほっこりした雰囲気がなんとも魅力的だ。日本で戦争を体験した人は年々少なくなっているので、戦争の実体験を描いた本作は貴重だろう。リアルな戦争の体験談に興味がある人は、ぜひ一度読んでみてほしい! 取材協力:まげよ(@mageyoozu)