コカ・コーラを日本一売った営業「これを守らないとブランドに傷がつく」…今でも大切にしている3つのルールとは
『コカ・コーラを日本一売った男の学びの営業日誌』#2
自称Fラン大学出身の山岡彰彦氏は、全国のボトラー社でも前例のない日本コカ・コーラ社への出向を果たした。そんな彼が先輩や取引先をはじめ多くの人から教えてもらった机上ではけっして教われない「学び」を伝授する。 【画像】仕事の質も変わってくる「仕事の評価の仕方」とは 『コカ・コーラを日本一売った男の学びの営業日誌』 (講談社+α新書)より、一部抜粋・再構成してお届けする。
人と一緒に働く際の三つのルール
私が日本コカ・コーラ社に出向した時に藤野マネジャーに言い渡された、業務委託先と仕事をする際の三つのルールがあります。これは、現在も守り続けていることです。 1 指示を明確に伝える(なぜこれをやって欲しいのか、いつまでにどのような成果物が欲しいのか)。 2 仕事を評価する(結果に対し、良い点をほめる・課題も伝える)。 3 支払いは迅速に行う・値切らない(相手先の財務状態を思いやる)。 なぜ、この三つが大切かというと、これを守らないとブランドに傷がつくということです。 コカ・コーラはすべてのステークホルダー(商品を買ってくださるお客様を含めたすべての利害関係者)を大切にするという大きな約束事があります。営業活動の視点と同様に、すべての人がお客様なのですから。 それは自分たち一人ひとりの信頼にも大きく関わってくる大切なルールでもあるのです。私はこのことを後に改めて思い知ることとなりました。
なぜこのルールが大切なのか?
比較的大きな会社に勤めている人に多いように感じますが、心のどこかで「相手に対して仕事を与えている」といった傲慢な気持ちが少しでもあると行動に出てしまうのです。 会社は法人と呼ばれますが、仕事は生身の人間が行います。人はそれぞれ自分の考えがあるので同じ言葉を聞いても人によってまったく違った反応を返してくることもあります。 仕事においては、こちらがやって欲しいことと、相手がやってきたことに齟齬があると、そのままお互いの損失になってしまいます。これを避けるために指示を明確に伝えるということです。しかし、社内外問わずこの手の行き違いは至る所で発生しています。 時には経済的な支障だけでなく、会社同士、人間同士の関係を損なうこともあるので注意の払い過ぎはないのですが、人間は学ばない動物なのか一向に行き違いは減らないようです。ですからまず一番目は「指示は明確に伝える」のです。