「既存メディアVSネット」で見落とす“大事な視点”。マスコミは偏向、SNS情報こそ真実は正しいのか
繰り返しになりますが、ネットと既存メディアの2択で「どちらかに『真実』がある」と決めつけるのはいちばんよくないことです。 さて、そうなると問題は「割引率」です。それぞれのメディアはどれくらい信頼できるのでしょうか。 ■「信頼できる」けど「読まれない」新聞 総務省のアンケート調査によると、「政治・経済問題」について最も信頼度が高いメディアは新聞です。「非常に信頼できる」と「ある程度信頼できる」の合計は83.8と非常に高い。テレビも78.8%と高水準です。(出所:令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査)
ネット情報では、「インターネットニュースサイト」が59.5%と比較的高い信頼度を得ています。ただ、この中には新聞社や通信社、出版社などが運営するメディアや、既存メディアのニュースのまとめを主軸とするキュレーションサイトも含まれています。 ネット独自の情報源である「ソーシャルメディア」の信頼度は27.6%、「動画配信・動画共有サイト」は21.8%にとどまります。 ざっくりまとめると、既存メディアはおおむね信頼できて、YouTubeなどの動画サイトは「眉唾」だと思われている状況です。これは多くの人の肌感覚に合うのではないでしょうか。
一方、平日のメディア別利用時間を見ると、ネットの1日平均194.2分に対して、新聞はわずか5.2分と大きな差があります。20代から50代では、そもそも新聞を読んでいる人はマイノリティーです。情報源としての重要度は新聞の44.3%に対してネットは81.5%と、ネットの存在感は圧倒的です。 ここから、浮かび上がってくるのは「ネットより信頼できそうだけれど、わざわざ新聞を読む気にはならない」という平均像です。
私が提案したいのは「ネットやSNSだけじゃなく、新聞くらい読もうよ」ということです。そして、どちらも批判的に読もうよ、ということです。 ■真実と嘘が入り交じる どちらにも、いくらかの本当といくらかのウソが混じっている。既存メディアにも誤報はあります。とんでもない大誤報だってある。でも、ほとんどの場合、ウソの割合はネット情報のほうが圧倒的に高いでしょう。 玉石混淆という言葉がありますが、感覚的には「玉石石石混淆」といったところではないでしょうか。もっとたくさん「石」を追加したいところですが、見苦しいので控えます。