“白杖”を目印につきまとわれ… 7割が経験 視覚障害につけ込む性被害の実態 デジタル化による弊害も
視覚障害者を狙った性被害。ある調査では、68人中48人が被害に遭った経験があると答えている。盲導犬を連れて歩く女性、アスカさん(40代)もその一人だ。「電車に乗ったらいきなりおしり触られるとか」「家の前で急に後ろから抱きつかれて体を触られて…」。 【映像】視野5%で見える世界(視野イメージ)
そもそも性被害を受けたことに気づかなかった人もいる。全盲の女性(30代)は「一人暮らしの家の中に小型カメラを仕掛けられたり、外で待ち伏せされてスカートの中を盗撮された」と話す。知らない男に合鍵を作られて部屋に侵入され、カメラを3つ仕掛けられた。半年以上気づかず、母親が部屋を訪ねてきた時に発覚し、その後、男は逮捕された。 相手の目が見えにくいことにつけ込んだ盗撮や痴漢、つきまといなどの性加害行為。視覚障害者はどうやって自分の身を守っていけばいいのか。そして周りができることは何なのか。『ABEMA Prime』で考えた。
■7割が経験 視覚障害者の性被害の実態
アスカさんは左目が全く見えず、右目もちくわの穴から覗いているほどの視野。外出時は盲導犬や白杖が必須だが、今までに何度も被害に遭ったという。「通勤の帰り、家の前で後ろから抱きつかれた。白杖がかえって目が見えないことの象徴になり、狙われてしまう」。 さらに「善意を装って近づいてきて、物陰に連れて行かれそうになることもあった。予想外のことで、パニックで頭が真っ白になった」と振り返る。 被害に遭った直後、助けを求めて交番に駆け込んだが、警察官に「事情は分かったけれど、あなたも目が見えないんだから外に出ないように気をつけなさいね」と言われたという。「逆に私が怒られてしまって、ショックだった」と明かした。 一般社団法人「日本視覚障がい者美容協会」代表の佐藤優子氏は視覚障害者を狙う犯罪心理について「自分の顔が見られず、特徴が警察に伝わらない、犯罪がバレにくいことから、ターゲットにしやすい。もう1つ、目が見えないだけなのに、知的障害もあるんじゃないかと、言いなりにさせられると勘違いしていることもある」とした。