マスターズで“脱がされた”ジェイソン・デイのあのベストがオークションに。落札価格260万円&同額を自腹で寄付
今年のマスターズでオーガスタナショナルからベストを脱ぐように命じられたジェイソン・デイ。胸元に青と赤の大文字で『MALBON GOLF CHAMPIONSHIP 』と描かれた白のベストが「トーナメントにそぐわない」という主催者の意向で着用を禁じられたのだ。そのいわく付きベストが先ごろオークションにかけられ1万8千万ドル(約260万円)で落札された。 マルボンのウェアを着るジェイソン・デイ(撮影/Blue Sky Photos)
24年シーズンの開幕戦セントリーにデイは新たなファッションで登場した。ストリート系ブランド、マルボン ゴルフのウェアを身につけていたのだ。 10年間ナイキのウェアを着て全米プロやプレーヤーズ選手権に優勝し、世界ナンバー1に上りつめたデイが、ゴルフ場ではあまり見たことのないオリーブ色のサテンジャケットと明るい色のゆったりとしたパンツで練習場に現れると「侵入者が球を打っている」と驚く選手まで。 長年リッキー・ファウラーやトム・キムなど有名プロのバッグを担いできたジョー・スコブロンキャディでさえ「誰だかわからなかった」と本人に伝えたほど。 そのデイが今年のマスターズ2日目に着ていたマルボンのベストを脱ぐよう主催者からいわれ「トーナメントが優先だから従います」とすぐに脱いで話題になった。世にいう“ベストゲート”(ベスト騒動)である。
そのときのベストがオークションに出品され1万8千ドル(約260万円)で落札された。普通に購入すれば248ドル(約3万6千円)の商品が70倍以上の値をつけたのだ。 GolfMagic(ゴルフの総合情報サイト)によるとデイは彼と妻が設立した慈善団体(ブライター・デイズ・ファンデーション)に260万円を寄付しただけでなく自腹で260万円の追加寄付をおこなったという。 世間を騒がせたベストゲート事件の落としどころは完璧ではないか。話題のベストはブランドの知名度を上げ、マニアはレプリカではなく実際デイが着ていた本物を手に入れ、デイは慈善団体に多額の寄付。オーガスタナショナルはもう二度とデイがあの派手なベスト着ることはないという確証を得たのだから。 ちなみにマルボン ゴルフは7年前スティーブ&エリカ・マルボン夫妻が立ち上げ、ストリートファッションと伝統的なゴルフウェアの融合を目指している。 ゆったりとしたシルエットは一部で批判されデイが履いたショート丈のパンツが「水着かと思った」と揶揄されたが話題に上ること自体プロモーションになっている。 「ずっとデイのファンだった。好感が持てる最高の人物。素晴らしい夫であり素晴らしい父親。何よりゴルフが上手い!」とブランドの創業者スティーブ・マルボン。 ベスト騒動の次はなに?
川野美佳
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