年内合格出す入試めぐり、学生獲得競争過熱…筆記メインの推薦は関西で広がり関東にも
88年度の文学部入試で、それまでの論文に代わって筆記試験を導入した龍谷大の担当者は「団塊ジュニアによる受験競争時代で、選考に客観性の担保が重要だったのでは」という。
18歳人口の減少で、現在は一般入試の“前哨戦”として人気を集める。河合塾によると、2024年度私立大入試の学校推薦型選抜への志願者約32万6000人のうち、関西2府4県で6割以上を占めた。
筆記試験による公募制推薦は25年度入試から、東洋大や大東文化大など首都圏の大規模私立大も導入した。甲南大(神戸市)が募集定員を増やすなど、関西でも強化する動きが続く。
大学間で学力の高い受験生は争奪戦になっており、大阪府内のある私立大入試担当者は「公募制推薦の入学者は一般入試まで頑張った学生が多く、他の年内入試組より学力が高い。『関関同立』など有力私立大が本格導入すれば、競争がますます激しくなる」と危機感を募らせている。