GK山崎耀太がPK戦で2本阻止し、近江が8強 前半シュート1本の近江が後半なぜ息を吹き返したのか
第102回全国高校サッカー選手権の3回戦が1月2日に行われ、明秀日立(茨城)と近江(滋賀)が対戦した。 【フォトギャラリー】明秀日立 vs 近江 小雨が降るなか、前半、前線からのプレスから押しこみ、ペースをつかむ明秀日立は22分、ペナルティエリア付近、MF7吉田裕哉(3年)のパスを受けたMF11石橋鞘(3年)が右足から繰り出されたコントロールショットで見事、先制。5‐4‐1トップ下起用のMF11石橋は31分、フリーキックのシーン。 キッカーを務めたMF7吉田が放ったボールをゴール前DF5山本凌(3年)がヘディングシュート。これは惜しくも近江GK1山崎晃輝(2年)に阻まれた。前半だけでシュート9本放った明秀日立が試合を支配し、試合を折り返した。一方、シュートわずか1本の近江。GK1山崎を中心とした守備で耐えるなか、反転攻勢を狙い、交代のカードを2枚切り、後半スタート。 その近江、後半8分にPKを獲得。キッカーを任されたMF8山門立侑(3年)が冷静に決め、同点に追いついた。勢いづく近江は前半の出来がウソのように攻勢に出る一方、跳ね返す明秀日立。時間とともにオープンな展開となった。後半32分、明秀日立。コーナーキックからDF3飯田朝陽(3年)のヘッドを近江GK1山崎がまたしてもセーブ。両者、攻めるも決めてなく、前後半終了。PK戦に突入した。双方、2人目まで成功したのち、近江GK 1山崎が3人目、4人目を止め、試合終了。近江がベスト8進出を決めた。 見事PK2本を止めたGK1山本は「2回戦(日大藤沢戦)と同じように自分が止めて勝つことができたが、試合内容は自分のミスも目立った。失点もいつもなら止められた。ひとつ勝ち進むことはできたが、反省点が多かった」と控えめに語ったが、PK戦はお手の物。GK コーチと二人三脚で培った成果が出た。 一方、「前半は寝ていた」と近江・前田高孝監督。この言葉通り、前半は相手のプレスに苦しみ、前に行きたくてもいけなかった。ただこの難しい状況から後半、なぜ息を吹き返せたのか。 前田監督はハーフタイムで戦術的な修正を施したそうだが、同時に喝をいれたようだ。 「自分たちも覚悟を決めて、後半に臨んだ。相手を裏返すチャンスを作れた」(DF10金山耀太) また「もうひとつ、(気持ちの)スイッチが入った」と話したMF8山門は別の視点から語った。 「先制点を決められる試合はプリンスリーグ関西1部で経験していて、相手が強豪なほど、先に入れられる試合は出てくる。たとえ1点決められても、絶対に返せる自信があったので後半、落ち着いた試合運びができた」とこれまでの戦いがチームに活きている。 ベスト8に向け近江・前田監督は「嬉しいが・・・2回戦と同じように前半に色を出せなかったのは心残り。それを出せる舞台を頂いてもう一回、やってきたい」と神村学園との試合を見据えた。 (文・写真=佐藤亮太)